移籍を機にC・ロナウドのプレーが大きく変わった? 数字が示すスペインとイタリアでのスタイルの違い

2019年01月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

遠目からのシュートが増加。

ユベントス移籍後は遠い位置からシュートを狙う機会が増えているようだ。(C)Getty Images

 今シーズンからイタリアを舞台に選んだクリスチアーノ・ロナウドは、シーズン前半戦を終えて15得点を挙げている。セリエAで14得点、チャンピオンズ・リーグで1得点だ。

 レアル・マドリーに所属していた昨シーズンは、前半戦で16ゴールを奪っていた。年齢を重ねる中で、新たなリーグに移籍したにもかかわらず、変わらぬ得点力を発揮しているのはさすがの一言だろう。

 ただ、イタリア紙『Corriere dello Sport』は1月16日、データ分析会社「StatsBomb」の数字を参照したところ、昨シーズンと今シーズンのC・ロナウドのプレーに大きな違いがあると報じている。

 その違いとは、遠い位置からのシュートの数だ。20メートル以上の距離からのシュート本数が、昨シーズンの23本から一気に50本に増えているという。出場試合数が違うとはいえ(昨シーズンは開幕から4試合出場停止)、1試合平均でも1.53本から2.63本と大幅増。そもそも昨季は1シーズンを通じて40本だった。
 

 1試合平均のシュート本数は、今シーズンの方がわずかながら少ない。つまり、移籍したことでの気負いや責任感などから、がむしゃらに遠目からシュートを放ち、本数が増えたというわけではないようだ。

『Corriere dello Sport』紙が注目したのは、ペナルティーエリア内での1試合平均のボールタッチ数が、昨シーズンの21.54回から16.46回に減っている点。同紙は、マドリーがリードしても攻撃により多くの人数をかけて攻め立てるのに対し、ユベントスは先制すると試合をコントロールしようとするからではないかと分析している。

 1試合平均のドリブル数が1.17回から1.65回に増えているのも、C・ロナウドがボールを受ける位置が、スペースのあるエリアから離れ、中盤に近い位置になっていることを示唆していると指摘。平均ボールロストが2.30回から3.29回に増えているのも、それを裏付けていると伝えている。

 もちろん、チームのスタイルの違いも影響しているだろう。その意味では、相手陣内でボールを奪ってから5秒以内にシュートした回数が、マドリーの6.05本に対してユーベが4.4本というのも興味深い。

『Corriere dello Sport』紙は、ジネディーヌ・ジダンが率いていたマドリーは、ユーベよりも長時間にわたって、うまくプレスをかけて攻めているとの見解を示した。

 いずれにしても、9シーズンもの間スペインでプレーしていたにもかかわらず、戦術的に要求の異なる新天地での戦いに素早く適応し、以前のようにネットを揺らしているという事実が、C・ロナウドの偉大さを表わしていると言えるだろう。
 
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