重要な開幕戦での先制ゴール!! 本田がミランの白星スタートに大貢献

2014年09月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

緊張感漂うチームに落ち着きと勢いをもたらした貴重なゴール。

利き足ではない右足でGKの足に当てながら股間を破って先制。緊張感漂う開幕戦での早い時間帯の先制弾は、チームの精神面に計り知れない好影響をもたらしたはずだ。 (C) Getty Images

 2014-15シーズンのセリエAが開幕。ミランは本拠地サン・シーロでラツィオと対戦し、3-1で勝利を飾った。ミランが白星スタートを飾ったのは、2010-11シーズン以来である。
 
 イタリアでの2シーズン目を迎えた本田圭佑は、右ウイングでスタメン出場。7分にカウンターから左サイドを抜け出したステファン・エル・シャーラウィのグラウンダーのパスを受け、右足でのダイレクトシュートでラツィオGKエトリト・ベリシャを破って先制ゴール。早くも今シーズン初得点を記録した。
 
 今シーズンの欧州主要リーグでは、マインツ(ドイツ)の岡崎慎司に続く、日本人選手の開幕戦ゴール(どちらも先制ゴール)となった。
 
 ミランはラツィオにボールを持たれる時間も長く、アントニオ・カンドレーバ等のプレーにDF陣が苦しみ、とりわけ3-0としてからは相手へのプレッシャーも緩んでたびたび危ない場面を迎えたものの、最終ラインで踏ん張って失点を1(オウンゴール)に抑えた。レアル・マドリーから加入したGKディエゴ・ロペスは早くも安定した守護神ぶりを示し、後半ロスタイムにはPKをストップする活躍も見せた。
 
 攻撃はカウンター主体となり、ボールを奪ってからの速い攻撃でサイドからチャンスを作り、ここからゴールを奪った。フィリッポ・インザーギ監督が理想とする、前めの位置でパスを繋いで相手を圧倒する攻撃サッカーからは程遠いが、これが現時点では最も選手を活かせる現実的なスタイルだろう。何より、3点を奪って新体制を白星でスタートできたことは、非常に大きい。
 
 本田は前述の先制ゴールの他にも、攻守で精力的な動きを見せ、効果的なプレーも幾度か披露した。守備における長いランや、先制時のような機を見ての猛烈なダッシュは、コンディションの良さを感じさせたものだ。また、右SBのイグナツィオ・アバーテとのポジションチェンジもスムーズで、3点目のPKを生みだす要因ともなった。
 
 試合全体のなかでは、プレーに絡まない時間も少なくなかったが、昨シーズンと比べても貢献度は確実に上がっていた。何より、開幕戦の早い時間帯で挙げた先制ゴールは、チームに落ち着きと勢いを与えたということで、通常の試合のそれとは比べ物にならないぐらいに重要なものだった。76分にパブロ・アルメロと交代したが、ピッチを去る際にスタンドから送られた拍手の大きさが、この試合での本田の貢献ぶりを証明していたと言えるだろう。
 
 今年1月、デビュー戦となったサッスオーロ戦で放ったシュートはポストを叩いたが、今回はGKに当てながらもボールはネットを揺らした。この違いは、今後の本田にどのような影響をもたらすのだろうか。ミランの今後とともに、大きな楽しみを与えてくれる開幕戦となった。そしてもうひとつ、次節以降、ここにフェルナンド・トーレスがどう絡むのかも、非常に興味深い。
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