蘇ったのはベルギー戦の“悪夢”。試合終了間際のセットプレーで混乱はあったのか?|アジア杯

2019年01月14日 本田健介(サッカーダイジェスト)

原口は険しい表情でベンチとやり取りをする

PKで決勝ゴールを決めた原口。試合終了間際のセットプレーではベンチに動きを確認する場面があった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 アジアカップのグループリーグ第2戦でオマーンと対戦した日本は1-0で勝利。第3戦のウズベキスタン戦(1月17日)を前に決勝トーナメント進出を決めた。
 
 もっとも「あれだけチャンスを作りながら決め切れないと厳しくなる」と長友佑都が語ったように、前半立ち上がりに迎えた再三のチャンスを決め切れずにいると、後半は攻撃が停滞。初戦に続いて薄氷を踏むような勝利となった。
 
 さらに試合終了間際には、相手ゴール近くで得たFKに関して原口元気がベンチと険しい表情でやり取りをするシーンも見られた。試合終了前のセットプレーで、思い出されるのはロシア・ワールドカップのベルギー戦で、シンプルなクロスを奪われ、高速カウンターにつなげられて逆転負けを喫した悪夢のようなシーンだ。
 
 オマーン戦の件の場面で原口はなにを確認していたのか。本人は試合後に冷静に振り返った。
 
「全然、問題はなかったです。(セットプレーの時に後方で)相手の2枚に対して3枚で守れていたので、切り替えさえしっかりできれば問題なかったです。特に佑都くんと(酒井)宏樹と僕が残っていたので、どう考えてもスピードで負けるわけはありません。(ベンチは選手を)下げろと言っていたので、逆に僕は取りに行けと言ったんです。トミ(冨安健洋)に行くなとベンチは言っていたんですが、後ろは3枚で大丈夫だよという話をしました。でも後ろは4枚残っても良いので、そこはベンチの判断だと思います」
 
 またこの時、ゴール前に上がっていたCBの吉田麻也は「最後から2回目の時はベンチを見て、行けという指示だったので行きました。最後のところはベンチは行くなとなっていましたが、後ろが行って大丈夫ということだったので行きました。皆、下がっていたから人は揃っていました。ただ、新しいチャレンジで、あそこで点を取れるかどうかで全然変わってくると思うので、そこを取れるように、チームとしても、個人としてもなっていければ、また成長できるはずです」と語る。
 
 今回はベルギー戦のようなカウンターを食らうことはなかったが、終盤のセットプレーはチームとして再度徹底する必要があるのかもしれない。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
 
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