【FC東京】「もったいない」。太田宏介が名古屋移籍の米本について心境を告白

2019年01月13日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「クラブに引き留めてもらいたかった」

始動日の練習後、米本の去就について心境を語ってくれた太田。写真:徳原隆元

 このオフに米本拓司が名古屋への移籍を決断したことは、少なからずショックだった。昨季までFC東京一筋10年のMFが来季は青赤のユニホームを着ないのである。ファン・サポーターはもちろん、クラブ関係者だって悲しい想いだったに違いない。
 
 事実、1月12日に行なわれたFC東京の新体制発表会では大金直樹社長が米本移籍について「話し合いを重ねた結果」とコメントしていた。その声のトーンから察したのは、引き留められなくて残念、という想いだった。
 
 クラブの社長さえ、ショックを受けているのだ。ならば、これまでともに戦ってきた選手たちはどうなのか。心境を訊きたくて、始動日の練習後に今季選手会長を務めることになった太田宏介を直撃した。
 
 すると、彼は「クラブに引き留めてもらいたかったです」と心情を吐露。続けて「オフも自主トレを一緒にやったりとかしてアイツの気持ちも分かっていたし、去年もなかなかチャンスがもらえないなかでも腐らずに意識高くやっていて……。これだけ長くやってきた、言ってみれば生え抜きの選手をこんなにも簡単に出してしまうのかなというのが、正直なところです」ともコメントした。
 
 
 昨季終盤戦、米本は橋本拳人とダブルボランチを組んで鉄壁の守備を見せた。FC東京は結果的にJ1で34失点(川崎に次いで優秀な成績)に抑えたが、その立役者のひとりが米本だったのだ。左SBとして一緒に戦った太田も「凄いやりやすかったし、もったいないと思いますね」と話していた。
 
 何度も怪我を乗り越えてきた米本の苦労をチームメイトとして間近で見守ってきたからこその想いだろう。ただ、太田はすでに前を向いている。
 
「もうこのメンバーで始まっているので、みんなで良い結果を出せるように頑張るだけです」
 
 FC東京に残っていればよかったと、米本にそう思わせることが、今季の太田に課せられたミッションのひとつになる。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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