「ペップが飲みに誘ってくれた…」 マンCに9点差で大敗も英3部クラブの監督が上機嫌だった理由は?

2019年01月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

名将のDNAを受け継ぐ指揮官

9発大敗も上機嫌だったバートンのクラフ監督。彼はいったいなぜ、笑顔だったのか? (C) Getty Images

 現地時間1月9日、イングランドのリーグカップ準決勝第1レグが行なわれ、英3部リーグに属するバートンは敵地に乗り込んで、マンチェスター・シティと対戦。0-9の惨敗を喫した。

 バートンは圧倒的な戦力差・実力差を、まざまざと見せつけられた。

 開始5分にダビド・シルバのパスをケビン・デ・ブルイネが頭で合わせて、シティが先制に成功。これで勢いに乗ったホームチームは、30分にレロイ・ザネのシュートのこぼれ球をガブリエウ・ジェズスが押し込み追加点を挙げると、その4分後にもG・ジェズスが決める。その後、オレクサンドル・ジンチェンコもミドルシュートを決め、前半だけで4点差とした。

 後半に入っても、攻撃の手を緩めないシティは、G・ジェズスが57分と65分にゴールするなど、計5得点を加点して、圧勝劇を演じた。

 9点差をつけられ、第2レグに向けても絶望的な状況に追い込まれたバートン。だが、試合後のナイジェル・クラフ監督の顔つきは、意外にも明るいままだった。

「グアルディオラとは、ワインを飲む約束をした。彼は『一杯奢る』と言ってきたけど、私は『それじゃ足りない。ボトル2本は欲しい』と言い返したよ」と、敵将とのやり取りを明かした52歳の指揮官は、さらに次のようにチームを誇った。

「我々ははなから諦めていたわけではなかったし、懸命に戦った。それにここまで来れたこと自体が偉業だ。本当によくやったと思うよ。試合中、相手は『10点目が欲しい』と叫んでいたけど、それはさせなかった。とてもポジティブな結果だと言えるんじゃないかな?」

 そう雄弁に語ったクラフ監督は、往年の名将のDNAを引き継ぐ指揮官だ。父ブライアンは、1970年代後半に当時、英2部だったノッティンガム・フォレストを率い、のちに欧州制覇(チャンピオンズ・カップ)を成し遂げた辣腕である。

 ゆえに敵将も、リスペクトを忘れない。ワインを奢る約束をしたグアルディオラは、「私は"クラフ"の名前が、君たちにとって何を意味しているかを知っている。彼が成し遂げたこと、そして、彼の采配、彼のカリスマ性は、本当に優れていた。だから、個人的にも"クラフ"と対戦することは名誉だ」と語った。

 プレミアリーグの優勝争いを繰り広げているシティ相手に、この大差をひっくり返すことは限りなく不可能に近いだろう。それでも、クラフ監督が率いるバートンの戦いぶりには最後まで注目したい。
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