【横浜】「日本一を獲りたい」新エース候補・李忠成の並々ならぬ決意

2019年01月10日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「F・マリノスを好きになってもらえればいいと思う」

横浜に新天地を求めた李。新たな得点源としてかかる期待は大きい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 バッグから取り出したのは、"赤い"ユニホームだった。

 1月10日、J1の横浜F・マリノスが2019年シーズンに向けて始動した。トレーニングが終わり、ピッチを後にするある選手に、小さな子どもを連れた女性サポーターが歩み寄る。「ここで出してもいいですか?」と言いながら、浦和レッズのユニホームにサインをお願いする。

 黒いペンを手に取った李忠成は、丁寧にサインをしたためた後、その女性サポーターの子どもを自ら抱き上げて記念撮影にも応じていた。

「嬉しいですよね。ああいったファンの方もこっちに来てくれて、またF・マリノスを好きになってもらえればいいと思うし。すごく嬉しいですよ」

 14年から5シーズン在籍した浦和を退団した李は、今季から横浜に新天地を求めた。日本代表でも活躍した33歳の経験豊富なストライカーは、「サッカー選手として勝負の年。(現役生活は)残り少ないと思うし、そのなかでもう一回、日本一を獲りたいっていう気持ちがすごく強い。ひとつタイトルを獲って、F・マリノスの一員として認められたい」と意気込みを語る。

 チームの雰囲気については、この日が初日ということもあり、「全然分かんないですね(笑)」と頬を緩め、「とりあえずやってみないと。みんなとボールを蹴ってみて、本当のサッカー選手のみんなと出会える。楽しみです」と期待を口にする。

 ランニングでは、栗原勇蔵や仲川輝人とともに走っていた。栗原とは日本代表で「アジアカップとか一緒に戦っているし、プライベートでも食事したり。仲は良いですよ」という間柄で、仲川とは「昔、レッズに練習生で来た時に、いろんな会話をしたこともあって。話しやすいですよ」とのこと。早くもチームに溶け込んでいる様子だ。

 今オフにウーゴ・ヴィエイラや伊藤翔といった得点源を放出した横浜において、何が自身に求められているかは十分に理解している。

「点を取ること。ここではFWとして見てもらえていると思うので、フィニッシュの部分をしっかり決めて、試合ではチームが常に優位に立てるような展開にしたい。あとは、25歳前後の若い選手が多いので、今までの経験を形にして、彼らが未来を切り開く手助けができれば」

 モチベーションはすこぶる高い。ピッチ内外で多くを期待されている新エース候補の活躍を期待したい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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