【選手権】「4年後にあいつと同じ舞台で…」大津の“最強CBコンビ”が進む別々の道

2019年01月04日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「右膝が動いてくれなかった」と悔やむ。

大津の守備を支えた吉村(左)と福島(右)のCBコンビ。次なるステージでの活躍に期待したい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権・3回戦]青森山田 3-0 大津/1月3日/等々力

「我慢しなければいけないところで、いきなり失点してしまった。僕とハヤトで守り切れず、前線の選手たちにも影響が出てしまったかもしれない」

 青森山田に思わぬ完敗を喫した大津のCB吉村仁志(3年)は、そう言って唇を噛んだ。

 U-18日本代表の吉村と、湘南ベルマーレ入りが内定している福島隼斗(3年)。このコンビは、今大会屈指のCBペアとして注目を集めた。実際、1回戦ではU-19代表のFW西川潤(2年)を擁する優勝候補の桐光学園を完封している。

 だがこの試合では、「警戒していた」(吉村)という檀崎竜孔(3年)とバスケス・バイロン(3年)が牽引する青森山田の強力攻撃陣を抑えきれず、失点を重ねた。

「今のままでは、プロになれない。初めての選手権でそれを痛感した。まだ1対1で抜かれる場面もあるし、(得意の)空中戦で競り負けた時もあった。大学で一から鍛え直し、4年後にハヤトと同じようにプロになりたい」

 気丈に取材に対応していた吉村だが、そう話した後、嗚咽を漏らした。

 相棒の福島は、右膝に故障を抱えながらのプレーだった。右足を引きずりながらミックスゾーンに現われたキャプテンは、「僕のミスで失点してしまった。右膝が思うように動いてくれなかった」と悔やんだ。

 ただ、その目はもう将来を見据えている。

「高校で全国制覇をする夢は叶わなかった。次のステージ(Jリーグ)で日本一を成し遂げたい。そして日本代表に選ばれるような選手になりたい」

 ふたりは別々の道に進み、さらなる高みを目指す――。

取材・文●江國森(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
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