年内最終戦も負けなかったリバプール、絶好調の要因は要塞化したアンフィールドにあり? その戦績が凄い

2018年12月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

「私は世界一の馬鹿じゃない」と指揮官クロップは気を緩めず!

攻守に両面で違いを放っているリバプール。その常に前進し続ける姿勢で躍進を遂げている。 (C) Getty Images

 まさにお祭りのような快勝劇だった。

 現地時間12月29日に行なわれたプレミアリーグ第20節で、リバプールはアーセナルを5-1で撃破。本拠地アンフィールドでの2018年ラストゲームを白星で締めくくった。

 この試合の均衡を破ったのは、アウェーチームだった。11分にイウォビの左サイドからのクロスボールを走り込んだメイトランド=ナイルズが押し込んだ。

 しかし、ここからリバプールが、首位たる所以を見せつける。14分と16分にフィルミーノが2点を奪ってあっという間に逆転に成功すると、32分にマネ、そしてアディショナルタイム2分にサラーがPKを決め、前半で雌雄を決した。

 迎えた後半もリバプールはペースを全く落とすことなく主導権を握り、65分にフィルミーノが移籍後初のハットトリック達成となるPKを決めて5点目をゲット。これでアーセナルの戦意を完全に喪失させた。

 先制パンチを喰らいながらも、それに動じることなく立て直し、難敵アーセナルを相手に圧勝したリバプール。その好調の秘訣の一つに挙げられるのが、アンフィールドでの勝負強さだろう。

 というのも、彼らはプレミアリーグにおいてのホームゲームで31戦連続無敗を維持しており、それはこの2018年だけで見ても15勝3分けと圧倒的戦績を残しているのだ。

 本拠地を要塞化し、ここ数シーズンの課題でもあった取りこぼしが激減したことで、順調にポイントを積み重ねるリバプールに期待されるのは、1989-90シーズン以来となる悲願のリーグ制覇である。英公共放送「BBC」は、アーセナル戦直後に次のように綴っている。

「今の彼らはリードをしても決して後退せずに、ユルゲン・クロップの下で定着した前進する姿勢を保ち続け、この印象的なシーズンを送ることに成功している。主にフィルミーノ、マネ、サラーによって構築されるリバプールの"スターダスト"たちは、昨シーズン以上にその輝きを増し、クラブに1990年以来となるリーグタイトルをもたらそうとしている。これは追いかけるライバルたちにとっては不吉な兆候だろう」

 今節で2位トッテナムとの勝点差を「9」に広げ、メディアやファンが色めき立つなかで、当のリバプール指揮官クロップは一切ブレることはない。ドイツ人の熱血漢は、アーセナル戦後の記者会見で、「今日は本当に良かったし、やりたいことを明確にこなせた」と自軍を称えながらも、記者陣に言い放っている。

「チームの全員がそうなる(優勝する)ことを願っているよ。ただ、すでに次のことに切り替えている。明日、シティが勝てば7ポイント差に縮まるし、その後、我々が直接対決で負ければ、4ポイント差になる。これは十分にありえることだね。私は世界一賢い人間ではないが、世界一の馬鹿じゃない。だから12月の末に何ポイント差をつけようが、それは重要ではないことを理解している。

 我々が参加しているのはマラソンで、始まる前に人々は『今日は優勝するぞ!』と言うだろう。しかし、勝つためにはまず走り出さないといけない。そして、周囲がガヤガヤとしている中でも、走り続けなければいけない。最後によりよくあるためにも今、我々は走らないといけないんだ」

 一切、気を緩めることなく破竹の勢いで前進し続けるリバプールは、一体どこまで勝ち進めるのか? 現地1月2日に行なわれる新年の初戦、敵地でのマンチェスター・シティ戦は、今シーズンのプレミアリーグを占う大一番となりそうだ。

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