【選手権】来季の注目銘柄、東福岡の荒木遼太郎。赤い彗星の大器が抱くU-16代表の僚友・西川潤へのライバル心

2018年12月29日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

なぜ、荒木は西川に負けられないと思ったのか。その答えは…

攻撃センスは西川にも負けずとも劣らないものを持っている荒木。選手権では西川が所属する桐光学園との対戦を待ち望んでいる。(C)SOCCER DIGEST

 12月30日に幕を開ける高校サッカー選手権。来季のプロ入りが決まっている選手にとっては自らの力を示す場で、誰もが主役の座を虎視眈々と狙っている。その一方で下級生も自らの存在をアピールすべく、高いモチベーションを持って大会に挑む。

 とりわけ、桐光学園の西川潤(2年)はその筆頭候補だろう。既にJクラブの練習に参加しており、12月には飛び級でU-19代表に招集。多くの関係者が注目をしているタレントだ。だが、西川以外にも期待値の高い選手はいる。それが東福岡の荒木遼太郎(2年)だ。
 
 毎年のようにJリーガーを輩出している "赤い彗星"において、荒木は1年次から期待を懸けられていた注目株である。本職は4-1-4-1のトップ下。巧みなボールコントロールが生み出すドリブル突破と正確なパスで、数多くのチャンスをチームにもたらす。課題だった球際でも強さを見せ、戦う姿勢を出せるようになってきた。
 
 その活躍はチームに止まらず、U-16代表の一員として臨んだ10月のアジア選手権では献身的なプレーで優勝に貢献。「(代表の)森山監督から球際や戦う姿勢は指摘されていたので、(アジア選手権の)1か月で改善して自分を変えられたと思う」と話したように、アジアの戦いを通じて一段と逞しさが増した。
 
 創造性に富んだプレーに献身性が備わった荒木だが、注目度ではU-16代表でチームメイトだった西川に水を空けられている。その理由は、やはり要所となる試合で、結果を残せていないからだ。自身はU-16代表のアジア選手権で初戦の2得点に止まり、選手権予選では4試合で無得点。これに対してライバルは、アジア選手権のファイナルで決勝弾を決めてMVPを獲得し、選手権予選でも4試合で4ゴールを決めてスポットライトを浴びた。
 
 ただ、この現実は荒木の気持ちを高ぶらせている。
 
「アジア選手権では西川が最後に点を取って、MVPまで受賞した。正直悔しい想いがあったので、絶対にワールドカップでは逆の立場になれるようにやりたい。選手権予選でも潤の情報は聞こえてきていたし、本人とも連絡を取ってその話をしている。選手権で戦いたい」

次ページ西川を上回る結果を残すためにーー。「自分が引っ張って優勝をしたい」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事