「サッカー界にはバカ野郎どもが多すぎる…」 ミランの『闘犬』ガットゥーゾが差別問題に吠える!

2018年12月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

試合の中止にも賛同!

インテル対ナポリの一戦で起きた差別騒動に持論を展開したのは、ミランの指揮官ガットゥーゾだ。 (C) Getty Images

 サッカー界に蔓延る人種差別問題に"リンギオ(闘犬)"が噛みついた。

 現地時間12月26日、ジュゼッペ・メアッツァで行なわれたセリエA第18節で、インテルがナポリを1-0で下した。だが、この2位と3位による注目の上位対決の試合後、大きく取り沙汰されたのは、接戦の内容ではなく一部サポーターの愚行であった。

 一部のインテル・サポーターが、ナポリのセネガル代表DFカリドゥ・クリバリに対して"モンキーチャント(猿の鳴きまね)"を繰り返したことが明らかになったのだ。

 ナポリの指揮官カルロ・アンチェロッティは、試合後に「我々は3度にわたって試合の中止を求めた。もしも、試合をやめたら、それは『敗戦』と判断されるだろう。だが、我々はそれをする準備ができている」と敗戦したことよりも、教え子が卑劣なチャントを受けたことに強い憤りを口にした。

 これだけあらゆる人種が共存する世界でありながら、近年のサッカー界では、人種差別問題が相次いでいる。

 イタリアで言えば、昨年5月に、当時、ペスカーラに所属していた元ガーナ代表MFサリー・ムンタリが、モンキーチャントの被害を審判団に訴えるも受け入れられずイエローカードを出されたことを受けて、許可を得ずにピッチを去って試合を"放棄"したことが大きな波紋を広げていた。

 尽きることのないサッカー界における差別問題に「もう2019年だぞ?」と語気を強めたのは、インテルの宿敵、ミランの指揮官であるジェンナーロ・ガットゥーゾだ。現役時代からカルチョに蔓延る問題を見てきた闘将は、ミランの公式番組『Milan TV』で遺憾の意を示した。

「私はカルロ・アンチェロッティが言ったことに同意する。この種の出来事が起こるのはイタリアだけではない。素晴らしいスポーツ文化を持っているイギリスにすらも存在する。我々がサッカーをやめる、あるいは試合を中断するという決断を下す時が、もう来ていると思う。

 我々はもっと良くなる必要があるよ。もう2019年になろうとしているんだ。サッカー界には、あの手のチャントを歌っていたようなバカ野郎どもがあまりにも多すぎる。イタリアが人種差別的な国だとは思わない。なぜなら、ここには多くの移民がいるからだ。とにかく、ああいうことが起きた場合は試合を停止するのが正しいと思うね」

 ちなみに今回の差別問題を受け、セリエAを主催するレガ・カルチョは、「人種差別的な性質を持つ、カリドゥ・クリバリに対する攻撃的な歌が歌われた」としてインテルに対し、ホームゲーム2試合の無観客試合という厳しい処分を下した。

 この騒動をきっかけにしても、サッカー界に蔓延する"差別"という闇は消えることはないだろう。アンチェロッティらが訴えたような試合の中止などの実力行使によって、何かが変わることを期待するほかない。

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