杉本、鈴木に続く即戦力の獲得は?指揮官の言葉から読み解く浦和の補強計画

2018年12月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官はJリーグとACLでの外国籍枠の違いを懸念

天皇杯を制してACLの出場権を獲得した浦和。来季のハードスケジュールを乗り切るためには、分厚い選手層が必要不可欠だ。(C)SOCCER DIGEST

 浦和レッズはシーズンの最終タイトルである天皇杯を獲得し、来季にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)への復帰が決まった。すでにFW杉本健勇をセレッソ大阪から、DF鈴木大輔を柏レイソルから獲得したことが発表された。
 
 前線に目を向ければズラタンの退団が決まっており、杉本の獲得は高さを補うものになる。オズワルド・オリヴェイラ監督は、ズラタン復帰後にトレーニングの中でパワープレーを思わせるものを行なっていたこともあるため、そのオプションの確保という狙いがあるのは事実だろう。杉本は日本代表で8試合のキャップを持ち、11月の国際親善試合にも招集された実績がある。ファブリシオの復帰は来シーズンが始まった後にずれ込むことが濃厚なため、特にリーグ戦とACLのグループステージを並行する春先、杉本がどれだけ早くフィットするかは大きな鍵を握りそうだ。
 
 一方で、最終ラインの補強はロンドン五輪に出場経験のあるセンターバックの鈴木が決まった。2018年シーズンに目を向ければ、遠藤航が夏にベルギー移籍をした後は、阿部勇樹がバックアップの一番手となり、リーグ33節の湘南ベルマーレ戦では茂木力也が起用されたものの指揮官の評価は「いろんなポジションができるが、センターバックは向いていない」というもの。森脇良太が負傷の多いシーズンを送ったのは誤算だったが、競争を促すうえでセンターバックに実力者を補強するという点では、理想的な選手を獲得できたはずだ。
 
 一方で、25日までに発表されたのは、ユースからの昇格以外は退団関連のものがほとんどだった。若手選手たちは軒並み期限付き移籍が延長となり、岡本拓也は湘南、駒井善成は北海道コンサドーレ札幌へ完全移籍が決まった。また、武富孝介は湘南へ期限付き移籍し、ベテランGK榎本哲也はカターレ富山へと完全移籍している。
 
 中盤では昨季の途中で骨折によりシーズンのほとんどを欠場した山田直輝が、来季に向け「キャンプから100パーセントで合流する予定です」と話していることから、実質的にはひとりがプラスになる。柴戸海や荻原拓也が台頭したシーズンでもあったが、指揮官はブラジルからの補強を考えているようだ。
 
 現地ブラジルでオリヴェイラ監督が受けたインタビューでは、優先順位が高いものを「メイア(攻撃的MF)とボランチ」と明言し、すでに名前を挙げていることを話した。その一方で、「リーグ戦では5人とアジア人(提携国)が起用できるが、ACLでは3人だ」と、その人数を気にしている。昨季に稼働率が低かったマルティノスは契約を残し、マウリシオとファブリシオを軸に考えた場合、アンドリュー・ナバウトも所属するため両ポジションともブラジルからの補強が行なわれるかは微妙なところだ。
 

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