ハンブルク、年内最終戦はキールに主導権握られ12戦ぶりの敗戦…酒井はフル出場、伊藤と奥川は出番なし

2018年12月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

ライバルの敗戦により辛うじて首位で年越し

キールは素晴らしい内容で首位チームから勝ち星を奪取。ハンブルクはアウェーで初黒星を喫した。写真は2得点のキンソンビ。 (C) Getty Images

 12月23日、ブンデスリーガ2部の第18節が行なわれ、ハンブルクは1-3でホルシュタイン・キールに敗れた。

 敵地に乗り込んだハンブルクは、7節以降は負けなしで首位を走っており、一方のキールも前節は敗れたものの、その前には7戦負けなしを記録するなど、好調を誇っている。

 年内最後の一戦、ハンブルクでは酒井高徳が開幕からの連続先発出場を維持して今節も定位置の右SBに入り、伊藤達哉はベンチスタート。キールの奥川雅也は、14節以来のベンチ入りを果たした。

 試合は開始4分にハンブルクのファン・ヒチャンがファーストシュートを放つも、キールは左サイドを攻略してチャンスを作ってペースを掴む。そして7分、左サイドのFKをシュミットが頭で合わせ、GKポラースベックが好反応で弾いたところをゼーラーが詰めて、早くも首位チームから先制点を奪った。

 これで勢いを得たキールが主導権を握り、ハンブルクを押し込んで再三、ゴールに迫る。15分に左からのクロスが流れたところをシンドラーが完全フリーで合わせた決定機は、シュートミスで活かせなかったものの、18分、ショートコーナーでシンドラーが入れたクロスをヴァールが頭で折り返し、ファーサイドでキンソンビが押し込んでリードを広げた。

 前半で2点を失ったハンブルクは反撃に転じ、29分、敵陣ペナルティーエリア前でのボール回しから、酒井がゴール左隅を狙ってミドルを放つも、わずかにゴール左外に逸れる。彼は41分に、ホルトビーとのパス交換からエリアに侵入して倒れたが、これはノーファウルと判定された。

 キールは最終ラインが、組織でも、個でも非常に強く、ハンブルクの攻撃陣に自由を与えず、抜かせない。そして攻撃も効果的で好機を作り続けるなど、前半は完全に試合を支配した。

 後半、立ち上がりに攻勢に立ったのはやはりホームチームだったが、ハンブルクは48分、ドリブルで中央に切れ込んだD・サントスのスルーパスでジャッタが抜け出し、GKクロンホルムとポストの隙間を射抜いて1点を返す。さらにその直後には、FKからベイツが惜しいヘディングシュートを放った。

 しかし、キールは主導権を渡すまいと、すぐにシンドラーがドリブルで相手守備陣を切り裂き、好位置でFKを獲得。ミューリンクのシュートはわずかに枠を外れたが、この後も攻勢を維持し、54分、敵陣エリア内でボールを奪ったシュミットのクロスをキンソンビが合わせ、リードを2点に戻した。

 厳しい状況に追い込まれたアウェーチームは、キールの速く鋭いカウンターの脅威にさらされながらも、ボールを長く保持してゴールを目指す。61分にエリア内でボールを受けたナレイが左足でシュートし、63分にはD・サントスからの横パスをハントがダイレクトで叩くが、いずれもボールはクロスバーを越えた。

 選手交代でサイド攻撃の活性化を図り、酒井をボランチに移すことでMFマンガラの攻撃参加も促すなど、より前がかりとなるハンブルクだが、カウンターで交代出場のバグノマンが右サイドを駆け上がっても、激しくも正当なタックルでボールを奪われ、逆襲から相手にフィニッシュまで持ち込まれてしまう。

 終盤もキールの集中力は切れることなく、83分にハンブルクがやっと作ったチャンスでも、ハントのダイレクトシュートはクロンホルムがしっかりキャッチ。攻撃陣は常にカウンターの機会を窺い続け、ボールを奪うと素早く敵陣に入り、少ない人数でもスペースを使ってボールを繋ぎ、たびたび相手守備を脅かした。

 試合はアディショナルタイムを経てもスコアに変化のないまま終了。ハンブルクは12試合ぶりの敗戦を喫したが、勝点1差の2位ケルンも前日にボーフム戦を落としており、辛うじて首位で年を越すこととなった。なお、酒井はフル出場、伊藤と奥川に出番は訪れなかった。

 ブンデスリーガ2部はウィンターブレイクに入り、再開は来年1月30日。次節、ハンブルクはザントハウゼンとホームで、キールはハイデンハイムとアウェーで対戦する。
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