横浜-川崎戦で人種差別を疑われる行為が発生! 当該サポーターに横浜が入場禁止処分を科す

2014年08月24日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

ツイッター上の動画から当該サポーターを特定

ピッチ上で戦う選手に対する卑劣な行為は許されるものではない。 (C) SOCCER DIGEST

 8月23日に開催されたJ1リーグの21節・横浜-川崎戦で、試合中に横浜サポーターによる人種差別が疑われる行為があった。
 
 横浜の嘉悦朗社長によると、「後半開始後、ツイッターを見ていた幣クラブの関係者から、幣クラブのサポーターが川崎フロンターレの選手に対して挑発行為を行なっているようだということで、その動画がアップされている」という連絡が入った。
 
 これに対し、横浜側の対応は早かった。すぐに当該サポーターの特定に着手し、試合終了直後、約1時間にわたって事情聴取を行ない、当該サポーターがピッチに向けてバナナを振るという挑発行為をした事実を確認。これを受け、横浜は当該サポーターに無期限の入場禁止という重い処分を下す方針であるという。
 
 件の行為が人種差別に当たるかどうかについて、嘉悦社長は「Jリーグともう一度、映像を観ながら、話をして、最終的な結論を下すべきだと思います」とコメント。「挑発行為と差別の線引きは難しい」と慎重な態度を示す一方で、ただ人種差別が疑われてしまう行為であったのは事実であり、その影響力の大きさも踏まえて、嘉悦社長は「許し難い。本人の意図がどうあれ、周りからそう見えるような行為をすること自体、絶対に許したくない」と厳しい表情を見せた。
 
 なお、あくまでも挑発行為だったと主張している当該サポーターは、横浜・川崎の両クラブに対し、深く反省しているという。
 
 横浜は今回の一件をJリーグ事務局にすぐに報告。今後の対応については、まずは川崎の武田信平社長と話し合い、Jリーグ事務局とも連絡を取り続けながら、月曜日には村井満チェアマンのもとへ出向き、協議を進めていく予定だ。同時に、今回のような事態の再発を防ぐために、クラブとしての防止策やサポーターへの啓発を再検討していくという。

取材・文:広島由寛(週刊サッカーダイジェスト) 
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