マドリー撃破に迫った2年前を「S・ラモスは退場に値した」と悔しがる鹿島のフィジオ、「人生は新たなチャンスを与えてくれた」

2018年12月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

「マドリーはマドリー。でもサッカーではどんなことも…」

2年前のCWC決勝、2-2で迎えた89分に明らかなファウルで鹿島のカウンターを止めたS・ラモス(背番号4)に対し、主審は一度カードに手をかけたが、結局2枚目のイエローは提示されなかった。(C)Getty Images

 神様ジーコに呼ばれて鹿島アントラーズにやって来たのは、2012年夏のことだった。それから6年半が経とうとしている。フィジオセラピストとして、ロドリゴ氏は鹿島と多くの時間を過ごしてきた。

 レアル・マドリーとのクラブワールドカップ準決勝を前に、ロドリゴ氏はスペイン紙『AS』に対し、日本に来た経緯を「ジーコに誘われたんだ」と振り返っている。

「オリンピアコスで知り合った。それまでCSKAモスクワにいて、ロベルト・マンチーニ時代のマンチェスター・シティにもいたよ」

 鹿島にとってのジーコについて聞かれると、ロドリゴ氏は「レジェンドだ」と答えた。

「彼が日本サッカーを高め、プロにした。ここでは、神のような存在なんだよ」

 Jリーグを長く経験したロドリゴ氏は、日本サッカーにも「良いレベルだ」と賛辞を寄せている。

「最初はそんなに良いレベルにならないだろうと思っていた。でも、いまではだれもがサッカーをよく分かっている。スピードがあるし、テクニックも良いんだ。優れた選手たちがいるんだよ」

「日本の選手たちはピッチの外と同じ。落ち着いていて、礼儀正しく、相手に敬意を払うし、責任感がある。もっとも、これは良し悪しあるがね。サッカーにはずる賢さも必要だから。ただ、日本人選手はその点でもかなり成長した。以前は相手に敬意を払いすぎていたが、いまはよりアルゼンチン人選手やブラジル人選手のようだ」
 
 2016年のクラブW杯決勝で、鹿島はマドリー撃破に迫ったが、延長戦の末に敗れた。試合後、物議をかもしたのが、マドリー主将セルヒオ・ラモスに2枚目のイエローカードが出なかったことだ。

 2年前の試合についてロドリゴ氏は、「残念だった。セルヒオ・ラモスが退場にならなかったのは残念だったよ」と、改めて悔しさを露にしている。

「2-2のタイスコアだった。セルヒオ・ラモスは退場に値したよ。そうすればすべてが変わっていたはずだ。残念だよ。ただ、マドリーはマドリーだ。人生は我々に新たなチャンスを与えてくれた」

 その新たなチャンスに、鹿島の選手たちは燃えている。ロドリゴ氏は「ロッカールームはとても意欲的だよ。全員がまたトライしたいと望んでいる」と述べた。

「さっきも言ったが、マドリーはマドリーだ。別レベルだよ。でも、サッカーではどんなことも可能だ」

 チーム一丸となってマドリーに挑む鹿島。現地時間19日に開催される大一番で雪辱を果たすことはできるだろうか。
 

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