バロンドールの投票を巡って騒動が勃発! 実在しない記者が投票? 順位が入れ替えられた?

2018年12月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

6年前に閉鎖されたサイトの、実在しない記者が投票…。

『フランス・フットボール』誌のたんなる人的ミスと信じたいが…。(C)Getty Images

 先日ルカ・モドリッチが受賞したバロンドールは、世界各国の記者の投票によって決定する。当然、投票権を持つ記者にとっては誇りであり、それはジャーナリストとしての地位にもつながる。

 だからこそ、その記者のひとりがじつは存在しなかったという疑惑のニュースは、世界を驚かせた。地元メディアの報道を、スペイン紙『Marca』が伝えている。

 問題となっているのは、アフリカ大陸の東、インド洋に浮かぶ小さな島々で構成された国コモロの『albaladcomores.com』というサイトで働くアブドゥ・ボイナ記者だ。受賞したモドリッチを1位とし、以下はクリスチアーノ・ロナウド、エデン・アザール、キリアン・エムバペ、モハメド・サラーを選んだ。

『Marca』紙によると、コモロのトイミノウ・アブドゥ記者が、「驚いたよ。そのサイトは6年前に閉鎖されているし、我が国で投票権を持つスポーツジャーナリスト2名は、アブドゥル・ユスフとシャリフ・ウセインという名前なんだ」と、『albaladcomores.com』がすでに存在せず、ボイナという記者はいないと話している。

 さらに、コモロのジャーナリスト協会のステファン・アーマディ会長も、「アブドゥ・ボイナという記者の記録はまったくない。『France Fotball』のミスとも解釈できるが、そのような人物は存在しない」と述べた。

 真相はまだ不明だが、『France Fotball』誌がミスをしたことは確かと言えるかもしれない。同誌がリストに用いたコモロの国旗が、17年以上前に変更された昔のものだったからだ。
 
 また、『France Fotball』誌のミスを訴えたのは、トリニダード・トバゴのラサナ・リバード記者も同じだ。ツイッターで投票した順番と違う結果が公表されていると指摘した。

 リバード記者はリオネル・メッシ、モドリッチ、C・ロナウド、サラー、アントワーヌ・グリエーズマンの順に投票したと主張。だが、『France Fotball』誌ではグリエーズマン、サラー、C・ロナウド、モドリッチ、メッシの順になっている。記者の主張と逆の順位だ。

 リバード記者は、「もう何年も問題なく、この名誉ある賞に投票してきた。何がうまくいかなかったのかは分からないが、投票の記録もある」とツイート。「『France Fotball』にメールで修正を依頼した。ただの人的ミスだと信じている」と付け加えている。

 その年の世界最高選手を決める栄えある賞だからこそ、疑惑があるなら看過できないことだが…。
 
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