「ホッとした」「非常に苦しい1週間だった」残留を決めた磐田の名波監督が偽らざる本音を吐露

2018年12月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

「残留争いを勝ち上がったのではなく、どっぷり残留争いに足を踏み入れてしまった」

名波監督は非公開練習も実施して選手たちをまとめ上げ、J1参入POを制した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1参入プレーオフ決定戦]磐田2-0東京V/12月8日/ヤマハ
 
 ジュビロ磐田がJ1参入プレーオフ決定戦を制し、J1残留を果たした。東京ヴェルディを迎えたホームゲームで2-0の勝利。41分に小川航基が自ら獲得したPKを沈め、80分に田口泰士が直接FKを突き刺して勝負を決めた。
 
 試合後のフラッシュインタビューに応じた名波浩監督は、「もちろん、ホッとしている」と安堵の表情を浮かべつつ、「残留争いを勝ち上がったのではなく、どっぷり残留争いに足を踏み入れてしまったなかで、こういう戦いをしなければならなかったという立場だった」と反省の言葉を並べた。
 
 磐田は、引き分けでも残留を決められたJ1最終節で川崎フロンターレに敗れ、13位から16位に一気に転落。J1参入プレーオフ行きが決まった川崎戦後は「非常に苦しい1週間でしたし、メンタル的に切り替えるのは難しい状況」(名波監督)だったという。
 実際にこの1週間、名波監督としては異例と言える非公開練習も実施した。これについては、「別に誰かを締め出そうとしたのではなくて、ちょっと公共の電波を通して言えないことなんですが、大した理由はないです。サポーターに見てもらうのがプロアスリートの価値だと思うので、そのチャンスを奪ってしまって申し訳ない」と謝罪し、「でも、結果がついてきたので、また来シーズンもJ1のステージで選手たちができるのは喜ばしいことだと思います」と続けた。
 
 今季のJ1残留争いはJリーグ史上でも類を見ない混戦で、磐田は勝点41を挙げながらJ1参入プレーオフに回った。勝点41という数字は、例年であれば悠々と残留を決められた数字だ。
 
 しかし、名波監督は自らを律するように言葉を紡ぐ。
 
「勝点41で残留争いなんてなかなか難しいシーズンだったね、といろんなところで言われるんですが、後の10、30、50年後には45で残留争いをするシーズンがあるかもしれないのでね。我々はこういうギリギリのなかで残ったという経験を、来シーズン以降のクラブの力に変えていければいいと思います」
 
 残留争いという厳しく苦い経験を糧に、名波ジュビロは2019年に向かっていく。

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