アジアカップ制覇に必要な人材は?過去5試合から森保ジャパンのメンバー編成を占う

2018年11月23日 佐藤俊

最終ラインは冨安と吉田をファーストセットにして昌子をうまく組み込みたい

長友が欠場した際には、山中を起用するのが面白そうだ。

 アジアカップを戦う代表選考ともいえる5試合の親善試合が終わった。
 
 森保一監督が目指すサッカーのスタイルに合う選手の大枠がウルグアイ戦で見えたが、キルギス戦はさらに戦える選手を見極めるための最終選考の場だった。
 
 正直なところウルグアイ戦を戦った選手とキルギス戦の出場した選手との間には、歴然とした差があった。フルに変えてしまうと、レギュラーメンバーとの相性や連係が見れないとの向きもあるが、しかし、キルギスは個人でも十分に違いを見せられる相手。ここでやれないのであれば、アジアカップで韓国やオーストラリア、イランなど強豪国と戦い、チームの勝利に貢献するのが難しい。その見極めはできたように思える。
 
 アジアカップの主力メンバーは、ウルグアイ戦とベネズエラ戦のスタメン組がベースになるのは間違いない。
 
 ただ、ふたつのポジションにまだ選考の余地がある。
 
 ひとつは、左サイドバックだ。
 
 ウルグアイ戦に出場し、秀逸の動きを見せた長友佑都が怪我のためにアジアカップは出場が難しいと見られる。そのためレギュラー候補は佐々木翔、そしてキルギス戦で初出場初ゴールを決めた山中亮輔のふたりになる。

 好守のバランスでは佐々木だが、アジアカップは引いてくる相手が多いので攻撃力のある山中のほうがより個性が生き、貢献できそうだ。連動した守備、カウンターの際のポジショニングなど訂正の余地があるが、やっていくうちに慣れてくるだろう。25歳とそれほど若くはないが、長友の後継者として、またW杯最終予選を戦うためにも2011年のアジアカップの吉田麻也のように育成していくつもりで起用してほしいと思う。
 
 もうひとつが、センターバックだ。
 
 ウルグアイ戦は三浦弦太が出場し、致命的なミスを犯し、失点に絡んだ。三浦の良さは対人の強さ、キックの精度に加え、ミスに動じず、次のプレーに移行できることだ。冨安はベネズエラ戦で1対1の強さ、ビルドアップで貢献するなど、総合力の高さを見せた。センターバックには、ロシアW杯組の昌子源が健在だが、植田直通は伸び悩んでおり、育成は急務だ。昌子のプレーの安定感は誰もが知るところなので、アジアカップは冨安と吉田をファーストセットにして昌子をうまく組み込むことができれば最終ラインは安定した守備が期待できるだろう。
 

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