【日本代表】遅れてきたリオ五輪世代の有望株。“ハードパンチャー”山中亮輔へ高まる期待感

2018年11月21日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

思ったよりも緊張せず、いきなり強烈ミドルを叩き込む!

世代別代表の常連だった山中(5番)。中島(10番)や南野(9番)、室屋(3番)、守田(17番)ら、同世代の仲間たちと刺激し合い、今後はA代表でも活躍を見せられるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 キルギスとの一戦、左SBで先発に抜擢された山中亮輔。これが嬉しい代表デビュー戦となったが、「思ったより普通に入れた」と、そこまで緊張することはなかったという。
 
 開始早々には、後方からのロングフィードに対し、果敢なオーバーラップを仕掛ける。このボールには届かなかったが、優れた攻撃センスを備える山中らしいアグレッシブな動き出しだった。
 
 その直後だった――2分、右サイドから北川航也が仕掛け、前方にいる杉本健勇に預ける。敵DFのチャージに踏ん張った杉本は反転し、左サイドを駆け上がってきた山中に丁寧なパスを転がす。
 
「かなり良いタイミングでボールを出してくれたので」
 
 山中は一瞬、トラップしようか迷ったという。だが、「最初のチャンスだったので、思い切って振り抜いたのがよかった」と、ダイレクトシュートを選択。低く、鋭い弾道のボールは逆サイドのポストを叩き、ゴールに吸い込まれた。
 
 本人は「振り抜いた」と表現するが、どちらかと言えばコンパクトなスイングで正確にミートしたように見えたが、いずれにせよ、パンチあるキックは山中の最大の武器で、いきなりそれを証明してみせた。
 
「ああいうシュートは得意としているし、吹かさないことを意識しました。それ以外は、身体が勝手に動いたような感じですね」
 
 これ以上ないほどのアピール弾。「素直に嬉しかった」と語る一方で、「試合全体を通して、細かいミスとかもあった。また一からチームでやっていきたい」と反省も口にする
 
「練習でも、自分の力不足を感じた」とも言うが、初めてのA代表での活動でどんな課題が見えてきたのか。
 
「球際だったり、デュエルのところをもっと向上させていきたいし、奪った後の1本目とかですね」
 
 守備に関しては、周囲と連係しながらボールを奪うアプローチにも長けているが、「今日に関して言えば、経験のある選手が引っ張ってくれたので。僕としては、ついていくだけだったし、周りのサポートに感謝したい」と振り返る。
 
 初めての舞台で得るものは多かったはず。左SBには長友佑都という大きな壁がそびえるほか、佐々木翔というライバルもいる。ただ、彼らふたりと比較して、山中にしかない強みはあるし、キルギス戦でそれを表現できたのは間違いない。
 
 中島翔哉や南野拓実、遠藤航、室屋成など、同じリオ五輪世代が台頭しつつあるなか、満を持してようやく自分も同じ舞台に立つことができた。勝負はここから。世代別代表の常連でもあったレフティが、大きな飛躍を遂げられるか期待したい。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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