小林祐希vs堂安律、日本屈指のレフティー対決!「オランダ北部ダービー」の勝敗の行方は!?

2018年11月09日 中田徹

好調ヘーレンフェーンをホームに迎えるフローニンヘン

10月の代表戦で堂安がオランダに戻った際には、代表初ゴールを祝福するなどいい兄貴分ぶりを発揮していた小林。4月の対戦はドローに終わったが、今回ははたして!? (C) Getty Images

 15年ほど前から「オランダ北部ダービー」として盛り上がりを見せるようになったフローニンヘンとヘーレンフェーンの戦い。11月11日に行われるこの激突に、日本屈指のレフティーふたりが臨む。

 今回の対決は、小林祐希を擁するヘーレンフェーンがやや優位か。12節を終えたところで9位の彼らは、アウェーゲームでは3位(3勝2分け)と滅法強い。

 今シーズン、セントラルMFとしてスタートした小林は、第7節のADO戦から"偽の右ウイング"としてプレー。ポゼッション時には中央に入って右サイドにスペースを作り、そこから"10番"のようにフリーロールが与えられている。そして守備時には、右サイドに戻って相手の左サイドを切る。

 とりわけ、デフラーフスハプ戦での出来は素晴らしく、『フットボール・インターナショナル』誌のタコ・ファ・デン・フェルデン記者は、「コントロールするMF2人と、サイドにエキストラなMF(小林)を置いたことで、ヘーレンフェーンにバランスが生まれた。小林がボールを持てば持つほど、ヘーレンフェーンがよくなる」と記している。

 一方、最下位(18位)に沈むフローニンヘンだが、2週間前には強豪PSV相手に1-2と敗れはしたものの好ゲームを展開し、前節のエクセルシオール戦は攻撃陣が爆発。4-2で勝利した。

 エクセルシオール戦後、ダニー・バイス監督は「堂安律、(ミムン・)マヒ、(マテオ・)カッシエラの3人が揃えば、うちの攻撃は凄まじい」とご満悦だった。チームは上り調子と見ていいだろう。

 エクセルシオール戦の堂安は、ゾーンに入ったと言っても過言でないほど、ビッグプレーを連発した。中でも、前半に決めたボレーシュートは、相手を背中でブロックしながら浮き玉をトラップし、狭いエリアにシュートコースを作ってから、左足を振り抜いたゴラッソだった。

 ドリブル、相手を剥がす動きにも冴えを見せた堂安は、「相手の動きの、先の先まで読めるような余裕を、今は持てています。それは0.01秒ぐらいの感覚。言葉で表わせない感じです」と、ひとり違った次元でプレーを楽しんでいた。

 今シーズン、フローニンヘンはホームで勝ち星がない。PSV戦、エクセルシオール戦と好ゲームが続いているだけに、しっかり勝って降格圏脱出に弾みをつけたいところだ。

 試合は11月11日(日本時間20時15分)にキックオフされる。

取材・文/中田徹
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