「ようやく休めるよ…」「中3日でプレーしなくていい」過密日程に苦言を呈する“熱血漢”クロップが束の間の休みに安堵

2018年10月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

クロップ、首位堅持にも油断はなし!

首位キープに成功したチームに満足感を示したクロップだが、決して気を緩めることはない。 (C) Getty Images

 今シーズンのリバプールの勢いは凄まじい。1990-91シーズン以来となる国内リーグ開幕6連勝というロケットスタートを切ると、その後もコンスタントに勝点を重ね、プレミアリーグ第10節を消化して堂々の首位に立っている。

 現地時間10月27日のカーディフ戦(プレミアリーグ第10節)は、まさに今シーズンの強さを象徴する試合となった。

 立ち上がりの10分にモハメド・サラーが先制点を挙げると、66分にセネガル代表FWサディオ・マネが追加点をゲット。その後、77分に1点を返されたときは、例年の課題でもある下位クラブからの取りこぼしが脳裏をよぎったが、今のリバプールはここからが強い。84分、87分と立て続けにサラーのアシストからスイス代表MFジェルダン・シャキリとマネがネットを揺らし、見事に4-1の大勝を収めた。

 攻守のバランスが噛み合った完璧な試合内容と首位堅持に、ドイツ人指揮官ユルゲン・クロップもご満悦だ。試合後の会見の模様を地元紙『Liverpool Echo』が伝えている。

 2位のマンチェスター・Cに勝点3差の26ポイントを積み上げたリバプール。当然、記者陣から「10節終了時点で首位に立っていることは重要ではないですか?」と問われたが、クロップは、「それはノーだね」と即答。さらに自軍への自制を促した。

「勝点はたしかに大きな違いを生むよ。23と26は、私にとっては20ポイント差くらいに思えるものだからね。ただ、実際はわずか3差。だから、このまま順調に進んでいくことこそがとても重要なんだ。

 5クラブ、6クラブがここまでに20ポイント以上を獲得しているなんて、信じられないよ。つまり、より激しい戦いになるということさ。観客やサポーターにとっては良いことかもしれないね」

 実力伯仲で活気づくリーグに高揚するクロップは、以前からプレミアリーグと代表戦の過密日程に異議を唱え、常々、現在のリーグの在り方が、プレーヤーズファーストでないことを訴えてきた一人でもある。それだけに11月3日に行なわれる次節のアーセナル戦まで試合がないことに、ホッと胸をなで下ろした。

「今、ようやく我々にはリカバリーの時間が来た。多くの選手が中3日でプレーしなくていいんだ。代表選手なんか最後にしっかり休めたのはいつか覚えていないくらいだったからね。この時間を使って身体を休め、次のアーセナル戦に向けて準備をしていきたい」

 果たして、熱血漢に率いられたリバプールの躍進はどこまで続くのか? ともに上位を争うアーセナル戦は、今後を占ううえでも大きなポイントとなりそうだ。
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