「彼は非常に危ない状況にあった」
80分にピッチに倒れこんだ長友に駆け寄る、ガラタサライのメディカルスタッフ。本人はプレー続行を希望したようだが…。 (C) Getty Images
10月24日(現地時間)、チャンピオンズ・リーグのシャルケ戦で途中退場したガラタサライの長友佑都。のちに肺が委縮する肺気胸であることが発表され、現在はトルコ国内の病院に入院中だ。
さらにガラタサライは27日、公式ホームページで「長友の手術は成功した」と発表している。
「リヴ病院で肺気胸の治療を受けていた長友佑都は、正午に胸腔鏡手術を行ない、成功した。
今朝、長友は胸部担当の外科チームによる診察を受けた。そして、クラブのドクターであるセラリッテン・コンターク医師とイェーナー・アインス医師が加わり、手術が行なわれた。経過は良好で、3~4日の経過観察の後、退院する見込みだ」
胸腔鏡手術とは、開胸する代わりに、該当部に小さな穴をあけて胸腔鏡を通し、モニターに胸腔内を映して行なう手術のことを指す。開胸手術に比べて負担が少なく、術後の回復も早いとされる。
まだ復帰までの具体的な見解は明かされていないが、ひとまず手術が成功したことで、ほっと一安心といったところだろう。
トルコの全国紙『Aslan Arenasi』は、手術が行なわれる前日に長友のもとへ見舞いに訪れたガラタサライのアブドラハム・アルバイラク副会長のコメントを報じている。
「長友のことは、非常に心配していたよ。彼には、『君はとても危険な状態だった。とても心配した』ということを話した。
彼は常に注意深く自分自身の状態を把握しているプロの選手だが、時としてサッカーではこういうことも起こり得る。どうか、健康な状態になってクラブに戻るまで無理はしないように、と伝えた」
ちなみに同メディアは、長友が倒れこみながらもプレー続行を希望し、メディカルスタッフがそれを制して病院に連れて行ったというエピソードも紹介している。
長友のプロ意識が高いからこそのエピソードだが、「あのまま続行していた場合、命にかかわる深刻な事態を招いた可能性がある。メディカルスタッフの判断は正しかった」と『Aslan Arenasi』は伝えている。
何にせよ、長友が回復に向かい始めたことは朗報といえる。日本代表にも必要とされる存在なだけに、万難を排して回復に努めてほしいものだ。