「スタメンで出られていないのに...」 カップを掲げる大役に指名された湘南の主将・高山薫の想い

2018年10月28日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

高山の背中を押したのは、やはりチームメイトだった

今季は悔しい想いをしてきた高山。仲間に感謝しつつ、素直に優勝を喜んだ。写真:田中研二

[ルヴァン杯決勝]湘南1-0横浜/10月27日(土)/埼玉スタジアム2002

 10月27日、湘南はルヴァンカップの決勝で横浜と対戦。36分に生まれた杉岡のゴールを守り切り、1-0で下してクラブ史上初めて王者となった。
 
 試合終了後、喜びを噛み締め、ピッチ上で最高の瞬間を過ごした湘南の選手たち。ほどなくして表彰式がスタートすると、準優勝の横浜に続いて壇上へ登った。そこで注目を集めたのは、誰がカップを掲げるかだ。
 
 今季の主将は高山薫、副将は菊地俊介、梅崎司、大野和成。若手のリーダー格として今季から設けられたヤングキャプテンは今大会のMVP・杉岡大暉。果たして、誰が大役を担うのか。熱視線が送られたなかで、指名されたのはやはり高山だった。
 
 この人選になんら不思議はない。ただ、今季の高山はリーグ戦も含めてスタメンから外れる機会が多く、今大会も納得のいくプレーはまるでできていなかった。
 
「ルヴァンカップの初戦の鳥栖戦とか、自分はスタメンでリーグ戦に出られていなかったので、最初はリーグ戦で先発出場するためにという想いでやっていた」
 
 思わず本音が漏れるほど、悔しい想いをしてきた。このルヴァンカップ決勝も77分に投入されており、勝者の証を掲げる役に自分は相応しくないと考えていても無理ないだろう。しかし、この重責を誰が担うかという話になった時、高山は複数の選手から後押しをされたという。
 
「ウメ(梅崎司)さんとかカズ(大野和成)とか山根(視来)とかが行きなよと言ってくれた。このチームで本当に掴めたタイトル。素直に嬉しかった。いつもであれば、スタメンで出られなかった悔しさがあるんですけど、優勝した気持ちが勝った感じですね」
 
 こうした動きからもチームリーダー・高山の存在感が透けて見えた。その一方で、本人はすでに次を見据えている。
 
「みんなに背中を押してもらって、みんなのおかげで勝たせてもらった感触のほうが大きい。次、上がる時はちゃんと試合に出て上がりたい」
 
 喜びを噛み締めながら、次こそは自分の活躍でチームを優勝に導く――。その誓いを胸に高山は次の戦いに向けて走り出す。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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