【湘南】「くそみたいなドリブルをして」。それでも曺監督が褒め称えた選手とは?

2018年10月27日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

曺監督が選ぶ湘南の大会MVPは?

ルヴァンカップ制覇に導いた曺監督。写真:田中研治

 2018年10月27日、ルヴァンカップ決勝は湘南が横浜を1-0で下すという結果に終わった。
 
試合後、優勝会見に臨んだ曺貴裁監督は「前半から堂々とマリノスさんに対してプレーしてくれた。今日は自分たちでボールをしっかりと相手陣内に入れてチャンスを作ってくれた」とコメント。実際、この日の湘南はアグレッシブなサッカーで前半の30分過ぎから主導権を握り、後半も攻め込まれながら実に落ち着いた試合運びを見せた。
 
 大会公式のMVPには決勝点を決めた杉岡大暉が選ばれたが、曺監督の目には誰が最高殊勲選手に映ったのか? そのようなニュアンスの質問をされると、曺監督は「MVP?」と言ってこう続けた。
 
「ここでひとりの名前を言うと、言われなかったやつがすねるからね。でも、(GKの)秋元と、3バックの3人(山根、坂、大野)は見事だったと思います。この大会は本当に。隙がないし、あれだけ身長がないのにラインを常に高くあげて、リスクを犯しながらも相手の攻撃を遮断する。ゴール前で跳ね返すというよりも入れ替わってそのまま攻撃の第一歩になる。
 
坂とか山根はくそみたいなドリブルをして取られていましたけど。そういうことも含めて、大きくないといけないとか、速くないといけないとか、上手くないといけないとか、そういうものにひとつくさびを打てたのではないかと思います。背が小さくても何かでカバーするとかチームのやり方で選手が生きるとか、そういうものを我々指導者は工夫して見出していかないといけない。
 
もちろん後ろの選手だけじゃないですけど、ルヴァンカップやリーグ戦では非常に頼もしく見えたし、(大野)和成なんかは新潟から帰ってきた当初はリズムが合わなくてメンバー外になった時もありましたけど、副キャプテンとしてチームを引っ張っている。目立たないけど、彼らに敬意を表したいと思います」
 
 優勝監督だけあって、その言葉には妙な説得力があった。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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