【2014南関東総体】再び選手権の舞台で輝く――鵬翔・北村知也が敗戦に決意

2014年08月03日 安藤隆人

「もっとスピードを磨いて、マークを振り切れるように」

鵬翔の攻撃を牽引した北村。選手権に向けてさらなるレベルアップを決意した。(C) SOCCER DIGEST

 2013年1月。宮崎県勢として初となる全国制覇を、高校選手権という大舞台で成し遂げた鵬翔。満員に包まれた国立競技場の緑のピッチの上に、背番号10の1年生FW北村知也が躍動した。
 
 あれから1年半。かつて興梠慎三(浦和)が背負った、チームのエースナンバー13番を背負い、北村は全国の舞台に帰ってきた。
 
 昨年は一度も全国大会に出られなかった。県内最大のライバルである日章学園は、大きな壁となって彼らの前に立ちはだかってきた。一昨年の選手権出場の際も、宮崎県予選では日章学園がライバルだったが、彼らは決勝まで上がって来ず、日章学園を倒すことなく、全国大会に出場できた。
 
「日章学園に勝って全国に出る」(北村)。
今年の鵬翔は新たなスタートを切った。そして、見事にインターハイ予選決勝で日章学園を2-0で下し、4年ぶりのインターハイ出場を決めた。優勝した先輩たちも成し遂げられなかった打倒・日章学園を果たして掴んだ全国の切符。だからこそ、どうしても勝ち上がりたかった。
 
 しかし、その思いは実らなかった。初戦の相手は広島皆実。1回戦屈指の好カードとして注目されたが、広島皆実に2点を先行され、終盤に1点を返すのが精いっぱいだった。
 
「自分がやらなきゃいけないのに、何もできなかった。もっとレベルアップしないといけないと痛感した」。
 
 この試合、広島皆実は北村にDF北尾涼をマンマーク気味に付けてきた。北尾のタイトなマークと、連動したプレスに苦しみながらも、鵬翔のエースは自慢のスピードを駆使し、果敢にギャップや裏を突いて、広島皆実ゴールに迫った。
 
 しかし、この日はサポートが少なく、ひとり交わしても、パスを出せなかったり、バイタルまでは侵入するが、北尾の身体を張った守備に阻まれるなど、わずかシュート1本に終わった。チーム自体もシュート3本に終わり、1-2で初戦敗退を喫してしまった。
 
「日章に勝ってインターハイに出たけど、あの試合(宮崎県決勝)も正直、力で勝ち切ったわけではない。こんな戦いをしていたら厳しい。もう一度、気持ちを引き締めてやらないといけないし、個人的にももっとスピードを磨いて、複数のマークが来ても振り切れるようにしないといけない」
 
 この敗戦をバネにし、さらに成長をする。その眼は決意にみなぎっていた。やはりこの男に全国の舞台はよく似合う。もう1年半前の幼い表情はない。
 
「選手権に出て、また宮崎に優勝旗を戻したい」。逞しさを増した北村は、もう一度ライバルを下して、選手権の舞台に立って躍動することを誓い、山梨の地を後にした。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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