【鹿島】ガツガツこられたら「真っ向から受ける」急先鋒に立つ鈴木優磨の負けじ魂

2018年10月24日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

付加価値を高めつつも、得点にこだわる姿勢を貫く

サポート役に回り、チャンスメイクにも徹する。利他的な振る舞いが増えた今季、プレーの幅は確実に広がった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 何を置いても、ゴール。自分が得点することだけに専念する。良い意味で、そんなエゴイズムが鈴木優磨の魅力だと思っていた。

 だが、今季はその印象が少なからず変わった。貪欲にゴールを目指す姿は変わらないが、味方のサポート役に回ったり、チャンスメイクに徹したりと、利他的な振る舞いも目立つようになった。簡単に言えば、プレーの幅が広がったということだ。

 フィニッシュ以外のプラスアルファもより考えるようになったのか。「そこは自分でも意識している」と本人も認めている。独りよがりにならず、チームメイトを活かすプレーでも助けになろうとしている。

 だからといって、本懐がブレることはない。付加価値を高めつつも、得点にこだわる姿勢を貫く。

「FWとして、ゴールは一番求められているところ。そこが薄れてはいけないと思っている」

 ストライカーとしての矜持を持ちつつ、ゴールという結果を示したうえで、「(チームを)勝たせたい気持ちもある」と力強く語る。

 今年7月、絶対的エースだった金崎夢生が、鳥栖へ電撃移籍を果たした。「夢生君が抜けて、チームとしてダメージがないと言ったら嘘になります」と、鈴木も正直な気持ちを吐露する一方で、新たなモチベーションも芽生えたはずだ。
 
「夢生君はチームを勝たせてきた人なので、もちろんファンが僕に期待しているのは感じています」

 今季ここまでリーグ戦では11得点を記録(30節終了時点)。自身初の二桁で、もちろんキャリアハイの数字である。スタメンでも途中出場でもいかんなく勝負強さを発揮して、アディショナルタイムに決勝点を挙げた26節の湘南戦から3試合連続ゴールを達成し、チームの今季初となる3連勝に大きく貢献してみせた。

 自らのゴールで勝利を手繰り寄せる。それが鈴木に託された唯一にして最大のミッションだ。本人もそれは重々承知している。大役を担うだけの実力があると周りから認められているからこそ、チームメイトの昌子源も「あいつにはできるだけ攻撃に行ってほしい。あんまり守備はさせたくない」と、後方からの援護射撃を約束する。

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