世界を魅了した一流アスリートでも、異なるスポーツで成功するのは容易でない。元ドイツ代表のマルクス・バッベルは、ウサイン・ボルトがプロサッカー選手になるのは難しいとの考えを示した。

　オリンピックで８つの金メダルを獲得した元男子陸上のボルトの代理人は、マルタのクラブから届いた２年契約のオファーを断ったと明かした。

　オーストラリアのAリーグ、セントラルコースト・マリナーズで練習生として２か月プレーしているボルトは、先週の練習試合で２ゴールを決めている。
 

　だが、同じくAリーグのウェスタン・シドニー・ワンダラーズで指揮を執るバッベルは、オーストラリア紙『Sydney Morning Herald』で「彼がなれるなら、もっと多くの人がプロになっているはずだ。私は、ないと思うね」と、ボルトがプロサッカー選手になることはないとの見解を示した。

「Aリーグにとっては素晴らしい時期だったけど、彼がこのリーグでプレーするとは信じられない」

　また、バッベルはスイス紙『Blick』でも「ボルトによってAリーグは大きな注目を集めた。だが、正直なところ、私は真剣に受け止められない」と、さらに厳しい言葉を突き付けている。

「私は彼のプレーを見た。愛情を込めて言うけれど、100年がんばっても（プロには）なれないだろうね」

　新たな夢を追いかけて挑戦中のボルトは、バッベルを見返すことができるだろうか。