【現役の眼】元日本代表、橋本英郎が森保ジャパンを分かりやすく解析! 変化を読み解く「4つの重要ポイント」

2018年10月18日 橋本英郎

「全員守備、全員攻撃」が形になっている

日本代表史上、類を見ない最高のスタートを切った森保ジャパン。橋本英郎が充実の3試合を斬る! 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 ご無沙汰しておりました。ロシア・ワールドカップでの燃え尽き症候群に陥っておりました。
 
 というのは冗談ですが、久々のコラムは、新生日本代表の3戦目となったウルグアイ戦です。4-3の勝利に終わった一戦を含め、これまでの3試合から感じた森保ジャパンの印象について、今回は書かせていただきます。
 
 日本代表監督が西野朗監督から森保一監督に代わり、チームやスタイルはどのように変わったのか。また、ロシア・ワールドカップ出場組の扱いはどうなるのか。このあたりを中心に、現在の森保ジャパンを個人的に分析してみます。かなり偏った考えかもしれませんが、ひとつの意見として読んでいただけたら嬉しいです。
 
 森保監督にはどうしてもサンフレッチェ広島でやっていたシステム、そして東京オリンピック世代の試合のイメージが強くあり、A代表をどのように4年後のワールドカップに向け成熟させていくのか、正直想像がつかないです。
 
 そのため試合内容やメンバーを含め、4つのポイントから様子を見ていこうと思います。
 
 まず1つ目は「システム」に関して。
 
 こちらは実にオーソドックスなフォーメーションを採用しているように感じます。4-5-1(4-2-3-1)は日本のJリーグのチームが昔から多く取り入れていて、また育成年代でもよく活用されるフォーメーションです。
 
 監督がサンフレッチェ時代に多用していた3-6-1は育成年代であまり経験したことがないフォーメーションだと思いますが、新たな日本代表で採用されているそれは、観る側、そしてプレーする側にもお馴染みのものです。それもあって、ここまでの3試合すべてで得点を多く決め、個人の能力もスムーズに引き出されているように感じます。

 
 2点目は「全員守備、全員攻撃」が形になっている点。
 
 これはロシア・ワールドカップで構築された良い部分だと思います。西野前監督が植え付けた感覚をそのままヘッドコーチだった森保さんが現在の日本代表に落とし込んだ。
 
 とくに守備面で大きな効果が出ています。前線でボールを奪ってゴールに繋げるシーンが本当に増えました。親善試合なので、対戦相手はそこまで素早いプレッシャーを掛けられると想像していなかったのかもしれませんが、大きな強みとなっています。最終的に球際で負けていても相手選手に良い状態でシュートを撃たせない。前線からの果敢な守備が、最終的に自陣ゴール前での相手選手のプレー精度をも下げているように感じました。
 

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