「俺に触ったらぶっ殺す!」 イングランド・サポーターが現地TVでスペイン人に侮辱発言…英紙も社会面で言及

2018年10月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

31年ぶりの劇的勝利を台無しにする行為

一昔前に比べて落ち着いたとはいえ、イングランド・サッカーの根底にはいまだフーリガニズムは蔓延っている。 (C) Getty Images

 現地10月15日、イングランドはUEFAネーションズ・リーグのリーグA・グループ4で、スペインを敵地で3-2と下した。

 ラヒーム・スターリングの2得点とマーカス・ラッシュフォードのゴールで、前半のうちに3点を先行したイングランドは、後半にスペインの猛攻にさらされて1点差まで追い上げられるも、何とか逃げ切った。

 敵地では1987年以来、31年ぶりとなるスペイン戦勝利を飾ったことで、イングランドは歓喜に包まれ、代表OBのジェイミー・キャラガーは、「まるでチャンピオンズ・リーグの準々決勝を見ているかのようだった」と表現し、チームへ賛辞を贈った。

 そんな一戦の裏で、イングランドのサポーターたちが引き起こした問題行動が、波紋を広げている。

 問題となっているのは、現地TV局『La Sexta』が試合前日に街頭インタビューを行なっていた際の一幕だ。

 インタビュアーと質問を受ける人の間に、酒瓶を片手に酩酊したフーリガンと思しき男性が突如として乱入。カメラマンを罵倒するように、「どけ、どけ、クソ野郎、どきやがれ! 」と叫ぶと、仲裁に入った別のスペイン人スタッフに対しても、「俺に触ったらぶっ殺すぞ! この娼婦の息子めが!」と、差別発言を用いて凄んだのである。

 その後、別のスタッフたちの仲裁もあって負傷者が出るような事態には至らなかったものの、このスペイン人を軽蔑する一部始終が収められた映像は、『La Sexta』の番組内で広く拡散された。

 これについて英紙『Daily Mail』は社会面の記事で、試合後にもイングランドの複数のサポーターが街中で騒動を起こしていたことに触れつつ、「泥酔した彼らはあらゆるものを破壊し、地元住民を恐れさせ、ついには警察沙汰を引き起こし、スペイン戦勝利の夜を台無しにした」と綴っている。

 2016年にフランスで行なわれたEUROのロシア戦でも相手サポーターと街中で衝突し、暴動を起こしたことが問題視されていたイングランドのファン。今後も同じような騒動が続けば、より厳しい制裁を受けかねないだけに、いわゆる"フーリガン"たちに対しては何らかの対策が必要となってきそうだ。
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