【釜本邦茂】同じ3対0でもちょっと違う… 私にはコスタリカ戦ほどの驚きはなかったね

2018年10月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

チャレンジしようとする姿勢が十分ではなかった

ワールドカップ組の大迫らも加わった今回のパナマ戦。しかし3対0という結果にも釜本氏の評価は……。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 キリンチャレンジカップのパナマ戦は、初陣のコスタリカ戦と同じ3対0というスコアで日本が勝利した。前回に続き、新戦力の南野、伊東がゴールを決め、古巣に凱旋した川又もゴールに絡んで地元のファンを喜ばせた。まあ、3対0という結果に関して言えば、何も言うことはないよ。
 
 ただし率直に言うと、内容に関してはコスタリカ戦ほどの驚きはなかったというのが本音だよ。ワールドカップに出場した相手とはいえ、パナマもそこまでポテンシャルの高い相手じゃなかった。前半は主導権を握られそうな時間帯もあったし、そこまで安心してみてはいられなかった。
 
 ただ、見ていて気になったのは、相手どうこうよりも、日本の選手たちのチャレンジする姿勢だね。パナマ戦は、コスタリカ戦に比べてどこかトライしようとする雰囲気が弱くなっていたと思うよ。コスタリカ戦では、両サイドから中島や堂安がどんどん仕掛けていって、それに応じるように前線の南野や小林がうまく絡んで相手を崩していったよね。ボランチの遠藤もよく後ろから押し上げて支えていた。
 
 パナマ戦のとりわけ前半は、そういうアグレッシブさという点でどこか物足りなさがあって、途中パナマがカウンターから身体能力を活かして攻め込むと、押し込まれる場面もあった。
 
 1戦目に比べたら安全なパスが目立ったし、アタッキングサードで果敢に仕掛けてもいいエリアでいったん戻したりという場面も多かったように思う。「ミスしちゃいけない」「失敗したらダメだ」という気持ちが強くなると、どうしてもサッカーが消極的になりがちになってスケールが小さくなる。後半も2点目が入るまでは、パナマのサイド攻撃が威力を発揮していただけに、結果としてもどっちに転んでもおかしくはなかった。
 
 それでも、押し込まれながらもマイボールになった時に原口がしっかりと攻撃の起点となるパスを供給して、伊東、南野とつないでゴールに迫った2点目のシーンは見事だった。多少苦しい時間帯でも点が取れる形を作れるようになったのは、この試合で見えたプラス材料かな。

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