「エスプレッソを用意しておくよ」 ナポリのスタジアムの守衛がクロップ監督との5年前の秘話を明かす

2018年10月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

CLで退席を命じられた名将と、守衛室で一緒に試合観戦。

5年ぶりにナポリのサン・パオロを訪れるクロップ。守衛室に立ち寄るタイミングはあるのだろうか? (C)Getty Images

 リバプールは10月3日のチャンピオンズ・リーグで、ナポリと敵地で対戦する。監督のユルゲン・クロップにとっては、ドルトムント時代以来となるサン・パオロ(ナポリのホームスタジアム)での試合だ。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、クロップ監督は前回ナポリと対戦した際、サン・パオロの守衛と特別な関係を築いたという。スタジアム内のロッカールームの責任者で、1981年から施設で働くヴィンチェンツォ・チェッローネさんが、クロップ監督との秘話を明かした。

 2013年9月のCLグループステージ開幕戦、0-1と1点ビハインドで迎えた後半に退席を命じられたクロップ監督は、チェッローネさんの部屋で残りの試合を観戦したという。

 チェッローネさんは「指示を出せる場所があまりに上だったのを彼が嫌がり、スチュワードが私のところに連れてきて、テレビの前に座らせたんだ」と振り返った。

「私はドイツ語どころか英語も話せない。ナポリ弁だけさ。だが、エスプレッソが欲しいか尋ねることはできた。クロップはそれを味わって、我々は画面の前でタバコを吸った。そしてロレンツォ・インシーニェの追加点が決まったんだ」

 ビハインドが2点となったドルトムントだが、チェッローネさんによると、クロップ監督は「美しいゴールだ。彼(インシーニェ)はうまいね」と話していたという。
 
 試合はその後オウンゴールでドルトムントが1点を返したが、2-1でナポリの勝利に終わった。チェッローネさんは「結果も結果だし、もう彼と会うことはないだろうと思った」という。

 だが数分後、クロップ監督は再びチェッローネさんの部屋を訪れる。

「マルコ・ロイスのユニホームを持ってきて、私の応対に感謝してくれたんだ。真の紳士だよ」

 それだけではない。クロップ監督はその後、チェッローネさんをドイツに招いたという。

「数日後、ナポリから連絡があった。クロップがドイツでのナポリ戦に私を招待し、費用も持つとメールしてきたからだ。信じられないが、本当だよ。残念ながら辞退しなければいけなかったけどね」

 この時はかなわなかったクロップ監督との再会が、5年の時を経て実現する。チェッローネさんは「もちろんエスプレッソを用意しておくよ」と、その時を楽しみにしているようだ。

「試合ではナポリを応援する。だが、ドキドキしながら彼のことも待っているんだ。ふたつお願いしたいことがあってね。ひとつは彼とのツーショット写真を撮ること、もうひとつはロイスのユニホームにサインをしてもらうことさ。(前回は)感動しすぎてこのふたつをお願いするのを忘れてしまったんだ」

 クロップ監督はきっと、あの笑顔でチェッローネさんの求めに応じることだろう。
 
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