超満員の埼スタに走った衝撃!! 指揮官も認める「浦和の将来を担う才能」がついに台頭の時を迎えるか

2018年09月28日 塚越 始

イニエスタ不在の埼スタで最大の衝撃をもたらしたルーキー

途中出場から存在感十分のパフォーマンスを見せた柴戸。とりわけボール奪取にかけては大きな働きを見せた。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 5万5689人の超満員で埋まった埼玉スタジアムで、浦和レッズがヴィッセル神戸に4-0の快勝を収めた9月23日の一戦。浦和サポーターに、ある意味、最大の衝撃をもたらしたのが、遅れてきたルーキー柴戸海だった。
 
 途中出場から新鮮かつダイナミックなプレーを連発。まるで埼スタが今季最多の観客で埋まる日を、埼スタデビューのためにとっておいていたかのように、声援の後押しを受けて躍動した。
 
 中盤の一角に入ると、まるで獲物を仕留めるように間合いに入ってきたアタッカーに強烈なプレスをかけてボールを奪う。リトリートの動きの無駄のなさにも驚かされる。彼の受け持つエリア(守備範囲)への相手の進入を一切許さず、無失点勝利で締めた。
 
 試合後の両チームの監督による記者会見の席でも、「柴戸の衝撃は凄まじかった」と話題になった。すると浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督は、驚くのはまだ早いぞと冷静に言った。
 
「柴戸は体格に恵まれ、あらゆるところに顔を出してプレーに絡めるのが特長です。まだ経験を積む段階ですが、橋岡、柴戸はクラブの将来を担う才能を持っています。そのための準備を進めています」
 
 明治大4年生だった昨年5月の早い段階で、浦和行きを正式に発表。ずっと憧れてきた阿部勇樹と一緒にプレーできる環境を選択した。堀孝史体制下で公式戦4試合の出場機会を得ていたが、アウェーと駒場開催。今回、ついに浦和のユニホームを着て、埼スタのピッチに立てた。
 
 柴戸は試合後、次のように自身のプレーを振り返った。
 
「『できる』と思っていました。点差もあったので、後ろでしっかりカウンターを防ぐリスク管理を求められ、絶対に失点ゼロで終わらせようと。そこでやられてしまっては自分が出た意味がない。無失点に抑えられて、最低限の仕事をできました」
 
 謙虚だが強気。そんなところは阿部と似ているかもしれない。
 
 そしてもう一人、柴戸のサッカー人生に大きな影響を与える人物がいる。川崎フロンターレの同い年にあたる守田英正だ。ユニバーシアードの日本代表として、昨年の台北大会で優勝を果たしたチームメイトであり、最大のライバルだ。
 

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