神戸が浮上するためのポイントは?イニエスタが強調するのは“ダイナミズム”

2018年09月16日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「相手に少しチャンスがあると決められてしまう」

イニエスタはG大阪戦でキャプテンマークを巻いて出場。前半にアシストを決めるも、追加点を演出することはできなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ26節]神戸1-2G大阪/9月15日/ノエビアスタジアム神戸

 J1・26節のガンバ大阪戦は1-2の敗戦。ヴィッセル神戸は、目標のACL出場権が遠のく手痛いリーグ戦3連敗を喫した。
 
 吉田孝行監督は試合後の会見で、以下のように話した。
 
「ACLを狙うチームが3連敗は絶対にしてはいけないですし、自分の責任でもある。ただ、3位と勝点6差で、残り8試合ということを考えると、まだギブアップするところではない。負けるとチームの雰囲気は悪くなっていくけど、そこはみんなで乗り切るしかない。気持ちを切り替えていくことが大事かなと思う」
 
 シーズンを折り返したばかりの8月には、一時ACL出場権獲得圏内の3位を目前に捉える4位にまで浮上。アンドレス・イニエスタの来日初ゴールで磐田を下し、首位の広島からも粘り強く勝点1をもぎ取った。気持ちを切り替えて取り戻したいのは、当時の勢いだ。
 
 G大阪戦でキャプテンを務めたイニエスタも試合後、最近のチームの不調ぶりを嘆いている。
 
「チームとしては本当に悔しい試合だった。前半はチームとして良いプレスもできていて、すごく良いゲームができた。ただ後半に、チームの組織が崩れてしまった。最近は相手に少しチャンスがあると決められてしまうようなダイナミズムや流れにある。そういう流れは変えていかなきゃいけないなと感じています」
 
 チャンスを作りながらも決め切れず、あるいは追加点を取って突き放せず、攻め切れないままに逆襲を食らって簡単に失点を重ねる――これが神戸の最近の敗戦パターンである。
 
「ダイナミズム」「流れ」を変えるために、神戸に問われているのは"修正力"だろう。
 
「全体的に良くしていく必要がある。いつも以上に練習をする、攻守でのミスを改善していく。試合の結果を決めるのは、時に細かなディテールだと思っている。そういったところで1回勝ちにつなげることで、チーム全員がより自分のサッカーを信じていけるし、ダイナミズムを持っていけるのではないのかなと思います。私たちの義務は最後まで戦い続けることなので、それはこれからも続けていきます」
 
 イニエスタが言うように、再び「ダイナミズム」を取り戻せるか。クラブ史上初のACL出場権獲得を諦めるには、まだ早い。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

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