カタールW杯への視界は良好か?ロシアW杯組を含めた森保ジャパンの序列をポジション別に検証

2018年09月13日 佐藤俊

最終ラインはロシアW杯組がそのまましばらく継続していくことになるだろう

初陣で若手をテストした森保監督。10月はどんなメンバーを選ぶのか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 コスタリカ代表に3-0で勝ち、好スタートを切った森保一監督の日本代表。南野拓実が代表初ゴールを挙げ、中島翔哉が左サイドで躍動し、堂安律が仕掛けで存在感を示したが、残念ながらこのチームが日本代表のベースになるというわけではない。
 
 今回の代表は、森保監督が自分のサッカーを実現するために自分の眼で見てみたい、試したいという選手が多く集められた、いわゆるテスト的なチーム。ベースは、今のところまだロシア・ワールドカップで戦った選手たちであると思われる。
 
 カタール・ワールドカップに向けての日本代表の編成についてポジション別に考えてみると、最終ラインはロシア・ワールドカップ組がそのまましばらく継続していくことになるだろう。センターバックの吉田麻也は絶対的な存在に成長し、パートナーの昌子源の怪我と今の調子が気になるが、この2枚は基本的に鉄板だ。コスタリカ戦では三浦弦太がまずまずのプレーを見せたが、まだレギュラーを脅かすレベルには行っていない。
 
 サイドバックも、まだロシア・ワールドカップ組と差がある感じだ。
 右サイドバックの酒井宏樹はマルセイユでも圧巻のプレーを見せており、左サイドバックの長友佑都も好調だ。室屋成らはアグレッシブなプレーを見せたが、海外組のふたりを越えていくのは、もう少し時間が必要だ。
 
 ボランチは、青山敏弘と遠藤航が初めて組んだ。
 遠藤のプレーは大きな収穫だろう。遠藤の元々のスタイルは守備の意識が強く、リオ五輪代表では攻撃のスイッチとなる縦パスを入れていたものの、積極的に攻撃に関わることは少なかった。だが、今回はベルギーでボランチとしてプレーできている経験が活きているようで攻守に積極的に関わり、ボールに絡んでいた。自らボックス内に縦に入り込み、ボールを受けて南野にアシストにしたプレーは、過去の遠藤には見られなかったプレーで、そういう面からも成長がうかがえる。
 
 今後、柴崎岳や大島僚太ら攻撃力のある選手と組むことが想定されるが、それも心配ないだろう。もともとうまく味方の長所を活かし、気の利くプレーができる選手。誰と組んでもやれるだろうし、青山を初期始動のベース作りのための招集であることを考えると今後、遠藤はボランチの主軸になっていく可能性が高い。それだけのポテンシャルをコスタリカ戦では見せてくれた。
 

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