金田喜稔がコスタリカ戦を斬る!「今後に期待を抱かせるゲーム! とくに遠藤が見事だった」

2018年09月12日 連載・コラム

「遠藤はW杯での悔しさを見事に晴らした」

中盤で圧倒的な存在感を放った遠藤。一度も出番を与えられなかったロシアW杯の悔しさを見事に晴らしてみせた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 今日はなによりゲームの入り方が良かった。すごくアグレッシブで、すべての選手から「代表の中でポジションを奪いに行くぞ!」っていう意気込みを、強く感じたよね。

 そして、フレッシュだった。

 そのフレッシュさっていうのは、選手の名前が真新しかっただけじゃなく、実際の年齢的な若さだけでもない。プレーするうえでの姿勢が、すごくフレッシュだったんだ。それぞれが自分の役割にプライドを持っているというか、自信を持っているようにも見えたしね。

 吉田に大迫、それから酒井とか乾とか香川とか、近年代表で主軸を担ってきた選手がいない中で、どれだけ選手たちがアピールできるんだろうって観ていたんだけど、期待を裏切らないゲームだったんじゃないかな。

 なんか女子も含めて、日本のサッカー界全体には、あの大きな悔しさを味わったロシア・ワールドカップでのベルギー戦以降、いい空気が漂っているというか、躍動感を感じるよね。今回代表に選ばれた選手たちも、そのいい空気に乗って、気持ちよく、それでいて激しく、なおかつ運動量の多いサッカーができていたと思う。
 
 2試合できるところが1試合になって、今日は森保監督が自信を持っているはずの3-4-2-1ではなく、4-4-2システムが採用されたわけだけど、今日出場した選手一人ひとりのプレーを観たとき、個人の役割さえ覚えてしまえば、彼らならどんなシステムにも対応できるんじゃないかという印象を受けた。

 とくに良かったのが、ボランチに入った遠藤だ。相手が最終ラインから繰り出す縦パスに関しては、彼が前半からことごとく潰していたし、ホント、ワールドカップに行って試合に出られなかった悔しさを、彼はしっかりと晴らしていたよ。見事だったね。

 遠藤以外だと、やっぱり小林を含めた前線の4人だろう。中島は前半だけで4本のミドルシュートを放つなど、期待を裏切らないプレーを見せてくれたし、南野にもゴールが生まれて、堂安はゴールこそなかったけど惜しいシュートが2本あった。それから小林も、遠藤からのボールを胸で落とし、南野のシュートを巧みに引き出していたよね。

 それぞれは小粒でも、積極的にゴールに向かっていくプレーは爽快だったし、非常に今後が楽しみだなぁっていうのは、強く感じたね。

 中島の強みは、なんといっても、左サイドで豊富な攻撃のバリエーションを、個人とコンビプレーの両方で持っていること。シュートにつながるクロスの精度もいいし、周囲の選手を使いながらゴール前に切り込むプレー、乾のようにドリブルでカットインしてシュートを放つスタイルと、彼がいろんな選択肢を頭の中に持っているっていうことを、改めて確認できたゲームだった。やることが多彩だもんね。
 

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