本田圭佑、カンボジア代表を率いての初陣は逆転負けも「僕にとっては素晴らしい試合」と手応え

2018年09月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

「選手たちは誰もが成長できる可能性がある」と前向き

激しい雨の中、試合中はピッチサイドで何度も檄を飛ばしていた本田。熱意は選手たちに伝わっているようだ。 写真はカンボジアサッカー協会のFacebookより。

 9月10日、本田圭佑率いるカンボジア代表と、マレーシアとの国際親善試合が行なわれた。

 "初陣"はスコールのため、30分ほどキックオフが遅れて開始。実質的な監督である本田はベンチエリアで選手たちに檄を飛ばし、戦況を見守った。

 カンボジアはFIFAランキング166位、マレーシアは171位と競っているが、実際には0勝1分8敗とカンボジアが大きく負け越しており、マレーシアが優勢だと伝えられていた。前日会見では本田自身、「タフな試合になる。簡単に勝てる相手ではない」と明言していた。

 しかし、先制したのはカンボジアだった。18分、味方がゴール前で競り合うなか、DFのセウイ・ビサルが浮き球をダイレクトシュート。これが豪快にネットに突き刺さった。このゴールを目にした本田はその瞬間、思わずニヤリと口元を緩めた。

 その後もカンボジアが攻め込み続け、前半をリードしたまま終えたカンボジアだが、後半、マレーシアの猛攻に会う。

 60分にゴール前の混戦からシャロール・モド・サッドに決められて追いつかれると、74分には相手DFのモハマド・シャザン・アンディク・モド・イサクに逆転のヘディングシュートを浴び、さらに90+3分にはダメ押しのゴールを許した。

 本田は前線の選手を一気に入れ替える2枚代えを試みるも、流れを変えられず、残念ながら、初陣を勝利で飾ることはできなかった。

 試合後のインタビューで本田は、「敗北はしたけれど、僕にとっては素晴らしい試合だった」と、チームを褒めたたえている。

「最初の30分で、僕らのスタイルを皆に表明できたと思う。僕が来て、たった1週間程度だったけれど、選手たちは僕の哲学を理解し、体現しようとしてくれた。とても素晴らしかった。彼らを誇りに思う」

 また、記者から「試合の後半でスタミナ切れしたように見えたが、今後どのように取り組むか」という質問にも、決して選手を責めることはせず、手応えを口にしている。

「確かにスタミナは課題だ。けれど、誰もが完璧に90分走れるわけではない。僕だってそうだ。トップレベルのブラジルの選手、ヨーロッパの選手たちも、90分ずっと走っているわけではない。疲労と付き合い、いかにうまく走るか。この問題について、選手たちは成長することができる。この問題は、クリアできるものと信じている」

 黒星スタートとなった本田。しかし、指揮官としての第一歩に、確かな手応えも感じていたようだ。
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