日本代表・初招集の天野純も輝きを取り戻す!! 横浜、4バック回帰で「みんなイキイキ」

2018年09月03日 藤井雅彦

5試合ぶりの4バック帰還にも「監督から特に説明があったわけではない」

ブマルのアシストから天野が2点目をゲット。4-3-3への回帰でチームの躍動感が増した。(C) J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ25節]横浜3-1柏/9月1日/日産
 
 真夏の連戦は過酷だ。柏戦に臨む横浜の場合、前節・清水戦から中2日と準備時間がなかった。そのためフォーメーション練習などを行なう余裕はなく、選手たちが柏戦のスタメンと陣形を知ったのは試合数時間前のミーティングでのこと。
 
 にもかかわらずキャプテンマークを巻いた扇原貴宏は「監督から特に説明があったわけではない。でも、ずっとやってきたので特に説明はいらない」と動じない。5試合ぶりの4バック帰還にも選手が困惑する様子は一切見られず、むしろ水を得た魚のように躍動した。
 
 3バック時も同じようにポゼッションを志向したが、立ち位置やパスコースを作るのに4バックに一日の長があるのは明らか。「4-3-3は立ち上げの時から取り組んでいたシステムでやっている時間が違う」と誇らしげに言ったのは喜田拓也だ。
 
 その背番号5は山中亮輔が負傷交代後、左サイドバックにスライド。今年に入って一度もプレーしていない不慣れなポジションだが、大きな違和感なくアジャストできたのはボランチの位置からサイドバックのプレーを見ていたからに他ならない。練習と公式戦で成功と失敗を繰り返し、少しずつ練度を高めてきた。4バックへの自信には揺らぐことのないバックボーンが存在する。
 
 対して、3バックは採用から間もなく、しかも連戦中のためほとんどトレーニングできていない。思い返せば4-3-3と新スタイルをスタートさせたシーズン序盤、選手たちは戸惑いながらプレーしていた。手応えを掴めたのは試合で成功体験を得てからで、ようやくその頃にスタイルとして馴染んできたのである。
 
 3バックから4バックに戻ったことで輝きを取り戻したのが、9月2日に追加招集ながら日本代表に初招集された天野純だ。「3-4-3と4-3-3で自分の役割が違う」と話すように、3バック時はビルドアップを助ける動きが多くなるため高い位置をキープできず、守備時も危険なスペースを埋めるためにポジションを下げた。
 
 それが柏戦では攻撃のスイッチを入れることを意識し、仲間を信頼して前で我慢した。さらに相手ゴール前にも積極的に顔を出したことが、貴重な追加点として形に現われる。トップ下でもボランチでもないオリジナルポジションを務める背番号14のプレーエリアは、横浜のバロメーターとなる。
 

次ページ選手たちの自信に満ちた言葉からも4-3-3がベスト布陣なのは明らか

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