『中継役』として、小野に期待してしまう理由は?
FC東京戦では、多彩な足技と気の利いたポジショニングでチャンスを演出した。写真:田中研治
[J1リーグ25節]FC東京0-0鳥栖/9月2日/味の素スタジアム
「出し手の僕らにも問題はあるし、受け手の彼らにも問題はある。しっかり試合を見直して、『こういう時はどういうプレーをしたかった』とか、『どこで欲しかった』とか、『こうだから出せなかった』とか、喋っていければ良いかなと思う」
スコアレスドローで終わったJ1・25節のFC東京戦後、小野裕二はそう振り返った。この夏に獲得したフェルナンド・トーレスと金崎夢生を擁しながらも、この2トップを活かし切れず、森重真人とチャン・ヒョンスという日韓の代表クラスのCBが居並ぶFC東京の守備網を破ることはできなかった。
小野はさらに言う。
「自分たちがボールを持った時に、相手はゴール前に引いて、人数をかけてブロックを作ってきた。だからスペースがなかったというのはありましたね。後半はオープンになってチャンスができましたけど、最後のパスの精度をもう少し上げる必要があると思います」
F・トーレスと金崎が加入したばかりの7月末に比べれば、連係面の質は向上しているとはいえ、それでもまだ小さくない課題が残っているのは、明らかだ。
そんなコンビネーションの問題を解決するためのキーマンが、小野だろう。後方からパスを引き出して、前線につなげる――いわゆる『中継役』として、小野に期待してしまう理由は、その戦術眼の鋭さと積極性にある。
「出し手の僕らにも問題はあるし、受け手の彼らにも問題はある。しっかり試合を見直して、『こういう時はどういうプレーをしたかった』とか、『どこで欲しかった』とか、『こうだから出せなかった』とか、喋っていければ良いかなと思う」
スコアレスドローで終わったJ1・25節のFC東京戦後、小野裕二はそう振り返った。この夏に獲得したフェルナンド・トーレスと金崎夢生を擁しながらも、この2トップを活かし切れず、森重真人とチャン・ヒョンスという日韓の代表クラスのCBが居並ぶFC東京の守備網を破ることはできなかった。
小野はさらに言う。
「自分たちがボールを持った時に、相手はゴール前に引いて、人数をかけてブロックを作ってきた。だからスペースがなかったというのはありましたね。後半はオープンになってチャンスができましたけど、最後のパスの精度をもう少し上げる必要があると思います」
F・トーレスと金崎が加入したばかりの7月末に比べれば、連係面の質は向上しているとはいえ、それでもまだ小さくない課題が残っているのは、明らかだ。
そんなコンビネーションの問題を解決するためのキーマンが、小野だろう。後方からパスを引き出して、前線につなげる――いわゆる『中継役』として、小野に期待してしまう理由は、その戦術眼の鋭さと積極性にある。
FC東京戦では、ラストパスの精度こそ欠いたものの、サイドハーフ、トップ下、ウイングと様々に位置取りを変えながら、スペースに精力的に動き出して攻撃のリズムを生み出した。
「後半はスペースがあったのでサイドで1対1を仕掛けたけど、相手がブロックを作ってきていた前半はサイドにスペースがなかった。そこで自分が開いてしまえば、後ろのSBの選手が攻撃に上がって来づらい。なので、できるだけフェルナンドと夢生君の近くにいて、効果的なプレーができればと思ったんですけど、なかなか良い形でボールが入らなかった」
小野はそう反省する。しかし、決定的な仕事は果たせなくても、単調な攻撃をなんとか変えようと、ドリブルやパスを織り交ぜながら果敢に仕掛ける小野の姿勢は、十分に評価に値するものだった。特筆すべきは、それを周囲からの指示ではなく、自分の判断で行なっていたことだ。
「攻撃になった時は、『ここにいろ』というような指示はなくて、自分の感覚でやっています。『今どこにいれば相手は嫌か』とかを考えながら。守備の時にいるべきところにいれば問題ないので」
ある程度、攻撃時には自由が許される鳥栖にとって、小野のように"アドリブ"で、攻撃にアクセントを加えられ、中継役として働けるアタッカーは貴重。F・トーレスと金崎の強力2トップのゴールを生み出し、チームを浮上させるためのキーマンとなるはずだ。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
「後半はスペースがあったのでサイドで1対1を仕掛けたけど、相手がブロックを作ってきていた前半はサイドにスペースがなかった。そこで自分が開いてしまえば、後ろのSBの選手が攻撃に上がって来づらい。なので、できるだけフェルナンドと夢生君の近くにいて、効果的なプレーができればと思ったんですけど、なかなか良い形でボールが入らなかった」
小野はそう反省する。しかし、決定的な仕事は果たせなくても、単調な攻撃をなんとか変えようと、ドリブルやパスを織り交ぜながら果敢に仕掛ける小野の姿勢は、十分に評価に値するものだった。特筆すべきは、それを周囲からの指示ではなく、自分の判断で行なっていたことだ。
「攻撃になった時は、『ここにいろ』というような指示はなくて、自分の感覚でやっています。『今どこにいれば相手は嫌か』とかを考えながら。守備の時にいるべきところにいれば問題ないので」
ある程度、攻撃時には自由が許される鳥栖にとって、小野のように"アドリブ"で、攻撃にアクセントを加えられ、中継役として働けるアタッカーは貴重。F・トーレスと金崎の強力2トップのゴールを生み出し、チームを浮上させるためのキーマンとなるはずだ。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)