「日本を“また泣かせた”」日韓戦の勝利に韓国メディアが狂喜乱舞!一方で森保ジャパンへの評価は…

2018年09月02日 慎武宏

韓国では地上波3局が同時中継!合算の平均視聴率は驚愕の57.3%

大会史上初の日韓戦になったアジア大会決勝。韓国国民の関心は極めて高かった。写真:早草紀子

 日本と韓国の対決となったアジア大会の男子サッカー決勝は、韓国でも大きな注目を集めた。日本ではライブ放送はなく、NHK衛星第1(BS1)で1時間遅れのディレイ放送だったが、韓国ではKBS、MBC、SBSの全国ネット地上波3局が同時中継。韓国の視聴率調査会社『ニールセン・コリア』によると、3局合算の平均視聴率は57.3%になったという。
 
 国中が関心を寄せていたソン・フンミンの兵役問題もかかったアジア大会の決勝であり、相手は"宿命のライバル"である日本、しかも週末のプライムタイムでの中継ということもあって、驚異的数字が出たのだろう。そんな大きな関心を集めたビッグマッチで韓国が延長戦の末に劇的な勝利を収めただけに、韓国メディアの反応も狂喜乱舞といった印象だ。
 
 同じ日に野球の決勝戦、女子バレーの3位決定戦でも"日韓戦"があり、いずれも韓国が勝利したこともあって、「宿命のライバル戦となったバレー、野球、サッカーで"韓日戦全勝"」(『XPORTS News』)「女子バレー、野球、サッカー。韓国、日本を立て続けに撃破"今日は克日の日"」(『ニュース・ワックス』)と報じるメディアも多く、その中でもサッカーに関する記事がもっとも多い印象だ。「韓日戦 サッカー」というキーワードで検索をかけると、1日だけで実に588本の記事(写真記事含む)がヒットするほどだ。
 
 その中でいくつかを紹介すると、「心臓バクバクだった金メダル、韓国、日本を下してアジア大会優勝」(『スポーツ京郷』) 「値千金の先制ゴール、イ・スンウが日本サッカーを"また泣かせた"」(『スポーツ韓国』)、「日本を沈黙させたファン・ヒチャンのゴール・パフォーマンス」『SPOTV NEWS』)などで、ゴールを決めた殊勲選手はもちろん、2ゴールをアシストしたソン・フンミンのことも、「キャプテンのソン・フンミンが光った名勝負」(『ソウル新聞』)なども大きく取り上げられている。
 
 特に兵役問題で韓国はもちろん、世界各国のメディアで取り上げれてきたソン・フンミンに関しては、「銃の代わりに金を掴んだソン・フンミン、(そのキャリアの)坦々とした道が開かれた」(『YTN NEWS』)、「ソン・フンミンの兵役免除、韓国サッカー金メダルを海外メディアが一斉打電」(『国民日報』)と報じている。
 
 今大会で韓国はソン・フンミンを含め3名のオーバーエイジ枠をフル活用したが、「3枚ともに歴代級ワイルドカードだった」(『ベストイレブン』)との声も多く、チームをまとめ金メダルに導いたキム・ハクボム監督に関しても、「"人脈サッカー"論乱を吹き飛ばしたキム・ハクボム監督号」(『ハンガン・タイムズ』)、「"東京まで行く"非主流から代表監督にったハクボンソン(アレックス・ファーガソンの名を混ぜた造語にしてキム・ハクボン監督のニックネーム)、人間の勝利」(『SPOTV NEWS』)など、監督の功績を評価するメディアも多い。

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