ジェノア・サポーター、崩落事故の犠牲者の数にちなんで43分間の“黙とう”を捧げる

2018年08月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

DFのクリーシトは「震えを感じた」と語る。

事故後最初の試合となったこのエンポリ戦で、ジェノアは2-1の勝利を収めている。(C)Getty Images

 8月26日に行なわれたイタリア・セリエA第2節のエンポリ戦は、ジェノアとそのサポーター、そして本拠地ジェノバの人々にとって特別な一戦だった。ジェノバで起きた高速道路の高架橋崩落事故以来、初めて行なわれた試合だったからだ。

 43名の犠牲者を出した崩落事故を受け、レーガ・カルチョはジェノアとサンプドリアの開幕戦を延期した。この日のエンポリ戦は、ジェノアにとって今シーズンの"開幕戦"だったのだ。

 ただ、事故発生からまだ2週間も経っておらず、人々は依然として心を痛めている。ジェノアのサポーターも同じだ。エンポリ戦では、犠牲者の数にちなんで43分間にわたり、応援を自粛した。

 イタリア『ANSA通信』によれば、開始から42分、プレーが行なわれている最中に、大型スクリーンには犠牲者43名の名前が順に映し出され、スタジアムの人々は立ち上がって拍手。その後、ゴール裏スタンドのサポーターは、「ジェノバ、ジェノバ」と叫んだ。
 
『Ita Sport Press』によると、事故の10分前に橋を渡っていたと明かしたDFのドメニコ・クリーシトは試合後、「特殊な1週間、いや、2週間だった」と振り返った。

「悲劇が起きてからは良い空気を吸うことができていない。43人が亡くなった。本当に残念だ。避難されている方たちを支えたい。ジェノバの人たちは強い。それを示してくれるはずだ」

 クリーシトは43分間の"黙とう"について「震えを感じた」と述べている。

「このスタジアムはいつも僕らに大きな手を貸してくれる。ここの人たちは、素晴らしい心の持ち主であることを示した」

 一方、ジェノアのエンリコ・プレツィオージ会長は、「ああいうことがあったから、(2-1で)勝利できたのはうれしいよ」と語った。

「起きてしまったことに、まだまだ悲しみや怒りがある。今日の試合でも不安があったのは当然だ」
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