【仙台】昨季王者に阻止された連続得点…現在、日本人得点王・西村拓真の冷静なスタンスと生まれた“欲”

2018年08月26日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「こういう日もあるし、逆にないほうがおかしいので」

好調を維持していた西村だが、川崎戦ではゴールならず。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ24節]川崎1-0仙台/8月25日/等々力
 
「まだまだ、甘かったです」
 
 0-1で敗れた川崎戦後、仙台の西村拓真はそう言った。この試合の前まで3戦連発中だったが、昨季王者の守備陣に実力の差を見せつけられてノーゴールに終わっている。
 
 もちろん悔しさはあるだろうが、試合後の西村は冷静なスタンスを貫いていた。
 
「こういう日もあるし、逆にないほうがおかしいので。そういう時にブレずにやり続けたいです」
 
 そう述べる西村がブレずにやり続けているプレーとは、半ば強引でもいいからチャレンジをするドリブルやシュートだ。川崎戦でも劣勢の時間帯が長い中、ボールを持てば仕掛け、チーム最多タイとなる2本のシュートを放った。

 しかし、ここ3試合の柏、湘南、G大阪などの下位チームとの一戦とは異なり、優勝を争う川崎とのゲームではゴールにつなげられなかった。だからこそ、試合後の西村には"欲"が出ていた。
 
「(相手のCBに対して)2対2の状況も多かったので、何とか個人で打開することを考えていましたけど、上手く出来なかったです。90分通して(得点を)取れるチャンスはありました。そこをまだ決め切れないのは、個人の実力(の差)があるので良い反省材料として、練習をしたいです」
 
 これまで得点を量産し、日本人トップタイ(8月25日時点)の11ゴールを記録。その要因は「少しでも(得点の)確率を上げる作業を日々努力」しているからだ。そして、川崎戦で不発だったことにより、個のクオリティを上げて身に着けたいのは「流れを変える力をつけること」と若きストライカーは口にした。
 
 川崎戦ではレベルの差を突きつけられたが、西村はまだ21歳。この若さで得点ランクの4位タイに名を連ね、冷静さと"欲"、そして「(チャンスを)外す時もいっぱいあると思いますけど」というような謙虚な気持ちも備えている。
 
 結果が出ていてメンタル面も充実し、試合を重ねるごとに急速な成長を遂げている西村には、これからさらに期待が膨らむばかりだ。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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