U-21森保ジャパン、ベトナムにまさかの0-1…開始3分の失点はどうすれば防げたのか

2018年08月20日 清水英斗

開始3分に犯した決定的なミス。GKオビと神谷の間で起こった問題は…

GKオビ(12番)のパスを受け損なった神谷(7番)。確かに処理の難しいパスではあるが、それ以上に気になったのは……。(C)Getty Images

[アジア大会]U-21日本代表0-1U-23ベトナム代表/8月19日/インドネシア

 アジア競技大会グループステージ第3戦、U-21日本代表はU-23ベトナム代表に0-1で敗れ、2位通過に。決勝トーナメント1回戦は、グループEで韓国を破って1位通過を決めた、マレーシアとの対戦となった。
 
 前半は終始、ベトナムのペースだった。日本のビルドアップは、ボランチにボールを預けるか、3バックの左右がドリブルで持ち上がるか、だいたいこのパターン。ところが、いずれも強度の高いベトナムのプレッシングに封じ込められた。ボールを持つだけで、ほとんど中盤を打開できていない。
 
 圧力を受ける中で、日本は前半3分に決定的なミスを犯した。GKオビ・パウエル・オビンナのパスをMF神谷優太がトラップに失敗して奪われ、そのまま流し込まれてしまう。この失点が勝敗を分けた。
 
 このシーンの問題はなんだったのか。寄せられた味方にパスを出したGKオビの判断、あるいはMF神谷の状況認知と技術。それも確かだが、気になったのは、GKオビのポジショニングだ。
 
 最初に原輝綺からバックパスを受けた時、GKオビは右サイド側に開いたDF立田悠悟にボールを預けた。そして逆の左サイド側へ行き、ゴールを挟むように、DF立田から離れてサポートしている。
 
 ところが、立田からリターンパスが出て、再びGKオビがボールを持った時、ベトナムの1トップ、ハー・ジューク・チンが立田への横パスを切りながら、GKオビに寄せてきた。つまり、逆サイド側に広がってサポートしたことで、GKオビは選択肢がワンサイドに追い込まれている。その状況で神谷へのパスを選んだが、狙いを定めたベトナムのプレスの餌食になった。
 
 もちろん、GKオビが立田から離れてサポートしたのは、逆サイドへの展開を考えてのことだろう。しかし別段、ベトナムの守備が右サイドに偏っていたわけではない。サイドを変える効果は薄く、実際にプレスを食らっている。

次ページGKからのビルドアップを取り入れるうえでの改善点は?

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事