乾貴士、ベティスでのデビュー戦を勝利で飾れず。途中出場から存在感を放ったが…

2018年08月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

レバンテの鋭いカウンター3発に沈む。

66分にピッチに立ち、前線で存在感を放った乾。チームは敗れたが、状態の良さをうかがわせた。(C)Getty Images

 現地時間8月17日に実施されたリーガ・エスパニョーラ第1節、ベティス対レバンテの一戦は、レバンテが3-0で勝利。ベンチスタートとなった日本代表の乾貴士は66分にピッチに立ったものの、新天地でのデビュー戦を勝利で飾ることはできなかった。

 ベティスは序盤から徹底したポゼッション・フットボールを披露した。さすがはヨハン・クライフの信奉者として知られるキケ・セティエン監督のチームだ。細かくボールをつないでいく様子は、ジョゼップ・グアルディオラ監督時代のバルセロナを観ているかのようだった。

 選手同士が適度な距離感を保ち、ショートパスを素早いタイミングでつないでいく。中盤のセンター部分ではセルヒオ・カナレス、アンドレス・グアルダード、ウィリアム・カルバリョの3人が丁寧に組み立て、両サイドに入ったふたりの下部組織出身者、フランシス・ゲレーロとジュニオル・フィルポも高い位置をキープしてこれに加わる。

 2列目で司令塔の役割をこなすカナレスはシャビを彷彿とさせ、自身でも果敢にアタックを仕掛けていくグアルダードは、現在ヴィッセル神戸でプレーするアンドレス・イニエスタを連想させた。低い位置でシンプルにボールを散らす長身のカルバリョは、さながらセルヒオ・ブスケッツといったところか。

 前半を終えた時点でのボール支配率は74%。ベティスは指揮官の思惑どおりのフットボールを展開していた。
 
 しかし、いずれの攻撃もゴールという結果にはつながらず、逆に38分と54分、レバンテのお家芸とも言える強烈なカウンターを浴び、スコアは0-2。セティエン監督がカルバリョを下げて乾貴士をピッチに送り込んだのは、66分だった。

 乾はカナレスと並ぶ形で2列目の左側に入り、得意のゾーンからドリブルやパスを繰り出しながら、レバンテ・ゴールに迫る。オフ・ザ・ボールの状況でもレバンテ守備陣をかき回すような効果的なランニングを披露。86分にはみずから持ち込んでほぼ正面からシュートを放つも、これは相手DFのブロックに阻まれた。

 またその3分後にも、ロシア・ワールドカップのセネガル戦を思い起こさせるような角度から際どいシュートを放ったが、レバンテGKオーイエル・オラサバルの好守に遭い、ゴールはならなかった。

 結局、アディショナルタイムにも鋭いカウンターから1点を奪われたベティスは0-3で敗退。理想的な戦いを見せながらもホームでの開幕戦を勝利で飾れず、乾のベティス初勝利&初ゴールも、次節以降に持ち越しとなった。
 
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