仙台に帰ってきた男、関口訓充が見せる円熟の技

2018年08月17日 小林健志

ユアスタでは約6年4か月ぶりのゴール!

22節の湘南戦で1ゴール・1アシストの活躍!関口が調子を上げてきた。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ22節]仙台4-1湘南/8月15日/ユアスタ

 仙台が4か月半ぶりにホームでの勝利を挙げた。板倉滉がアジア競技大会出場のために離脱した影響も懸念された試合だったが、強烈な存在感を見せつけたのは、2004年から12年の9年間、仙台でプレーし、浦和、C大阪への移籍を経て6年ぶりに復帰した関口訓充だ。
 
 前節に続き左ウイングバックに入った関口は、試合序盤の12分、自陣深い位置での湘南のロングスローの場面で守備に戻り、菊地俊介のシュートがポストに撥ね返ったこぼれ球をクリアしようとしたが、キックミスでオウンゴールにしてしまった。
 
「自分のゴールに入れてしまってチームに申し訳なかった。時間も早かったので気持ちを切り替えてもう1回行こうと思った」
 
 直後の15分、湘南の選手が仙台の右サイドに寄っていた場面で、がら空きになった左サイドにボールが出た。すぐさま関口が走り込み、湘南の藤田征也と1対1の状況を迎える。ここで関口が巧みなドリブルテクニックを見せる。
 
「スピードにのっていた。縦へフェイクを入れたら中が空いたのが見えたので、一瞬の隙を見逃さずにシュートまで持ち込めた」
 
 キックフェイントを巧みに織り交ぜて藤田との1対1に勝ち、右足でシュートを叩き込んだ。ユアスタでは12年4月21日のFC東京戦以来となる約6年4か月ぶりのゴールだった。
 
 こうなると関口はもう止まらない。独特のリズムのドリブルで何度も左サイドを切り裂き、32分には鋭いクロスを放つ。「相手と駆け引きしながらだったが、相手が飛び込んでこなかった。余裕を持ちながらボールを止めてステップを踏んで中の様子を見たら、(西村)拓真が上がっていたのが見えた。ダイレクトで反転してシュートを打って欲しかったので速いボールを入れた」という高速クロスに対し、西村は1回トラップした直後に反転してマークを外してシュートを決めた。トラップが入ったが「あいつの形があったのだと思う」と西村のゴール感覚を認めていた。
 
 関口は後半も相手の脅威となり、75分の交代直前にはカウンターで相手陣内をドリブルで独走し、惜しくもシュートは外れたが、スタジアムを埋めた仙台サポーターを大いに沸かせ、交代時には大きな拍手が起きた。
 

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