ハンブルク、3発完封での初勝利も課題は多く…先発・酒井は不安を残し、伊藤は交代出場で見せ場なし

2018年08月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

相手GKのミスで2ゴールを得る

組織が熟成していないチームのなかで、酒井もパスの出しどころに困る場面が何度も見られた。36分にセットプレーからのこぼれ球を拾ってのシュート以外、攻撃で目立ったプレーはなかった。 (C) Getty Images

 8月12日、ブンデスリーガ2部の第2節が行なわれ、ハンブルクは3-0でザントハウゼンを下した。
 
 クラブ史上初の2部リーグ参戦となったハンブルクは前節の開幕戦、ホルシュタイン・キールにホームで0-3という衝撃の敗戦を喫し、幾らかメンバーを入れ替えてこのアウェーマッチに臨んだ。酒井高徳は今回も右SBで先発出場となったが、伊藤達哉はベンチで試合開始を迎えている。
 
 立ち上がりに攻勢に立ったのはホームのザントハウゼンで、中盤に空いたスペースを使い、積極的な仕掛けで相手ゴールに迫っていく。ハンブルクはプレッシャーをかけるのも遅れて押し込まれ、酒井が必死にクリアする場面が見られた。
 
 しかし、先制点はアウェーチームにもたらされる。7分、相手GKシュヘンのDFへのパスが乱れたところをナライが拾ってペナルティーエリアに侵入し、角度のないところから強引にシュートを放つと、ボールはシュヘンの股間を抜けてゴールネットを揺らした。
 
 12分にも、D・サントスの高速クロスをCFラソッガが頭で合わせてゴールに突き刺す。これはオフサイドで無効となったものの、D・コスタの正確なパスやクロスはこの後もチャンスを生み出し、24分には彼のスルーパスから抜け出したラソッガが決定的なシュートを放つが、シュヘンのブロックに阻まれた。
 
 しかし30分、ナライが倒されて得た右タッチライン際でのFKで、D・サントスが入れたボールは、ファン・ドロンヘレンの頭にぴったり合い、今度こそハンブルクに追加点をもたらした。
 
 リードを広げられたザントハウゼンだが、防戦というわけではなく、14分にギスラソン、17分にミュラー、39分にベーレンスが決定機を迎えたものの、シュートの精度や威力を欠いたりして、得点に結びつけられない。
 
 後半、選手交代で状況打破を図ろうとしたホームチームだが、59分、バックパスをGKシュヘンが中央の味方選手にダイレクトで渡そうとするが、これが逸れてしまい、ナライに詰められて、やらずもがなの3点目を与え、自ら勝敗を決めてしまった。
 
 ただ、ハンブルクも危険な場面が多く、61分には守りに戻ったラソッガが、なぜかエリア内にいるザントハウゼンのシュロイゼナーにパス。これはシュートが枠を越えて事なきを得た。
 
 ハンブルクは試合を通し、危険な位置でボールを失う場面は少なくなく、とりわけCBのベイツ、ファン・ドロンヘレンは安定感を欠いた。また、身体を張った守備を見せた酒井も、その一方で対面のミュラーにボールを奪われる場面が数度あり、周囲との連係の面でも不安を感じさせた。
 
 72分、酒井はヴァグノマンとの交代でベンチへ。同時に、ハイロに代わって伊藤がピッチに登場した。
 
 2列目の左サイドに位置した伊藤は、アディショナルタイムにカットインからシュートを放ったものの(枠外)、すでに終戦ムードのなかで大きな見せ場はなかった。
 
 ハンブルクは2戦目で初勝利。3発完封勝利といえば聞こえはいいものの、相手のミスに助けられ、また自身のミスで相手に多くのチャンスを与えたこともあり、多くの課題を残した一戦と言えよう。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事