兵役免除には優勝がノルマ…アジア大会に「歴代最強メンバー」を揃えた韓国代表の"本気度"

2018年08月12日 ピッチコミュニケーションズ

日本をはじめ、イラン、サウジアラビアなどはU-21世代で臨むが…

A代表のエースであるソン・フンミン(7番)と正GKのチョ・ミヌ(23番)も参戦。韓国代表は本気だ。(C)Getty Images

 インドネシアで行われるアジア大会の男子サッカー競技が、8月14日に開幕する。前回の仁川アジア大会で金メダルを獲得した韓国は、大会史上初となる2連覇を目標に掲げている。
 
 その本気度は、代表チームのメンバー構成を見れば一目瞭然だろう。
 
 というのも、大会規定は23歳以下(オーバーエイジ枠3人)となっているが、今大会は日本をはじめ、イラン、サウジアラビアなど、2年後の東京五輪を見据えてU-21世代で臨むチームが多い。日本はオーバーエイジ枠も使わなかったが、そんななかで韓国は、U-23世代でベストメンバーを揃えてきたのだ。
 
 A代表でもプレーするキム・ミンジェ(全北現代)をはじめ、所属チームで主力として活躍するKリーガーも数多く、ロシア・ワールドカップにも出場したファン・ヒチャン(ザルツブルク)、イ・スンウ(ヴェローナ)など欧州組も招集。またオーバーエイジ枠もフル活用し、A代表の絶対的エースであるソン・フンミン(トッテナム)と、ロシアで守護神を務めたチョ・ヒョヌ(大邱FC)、今季Jリーグで14得点(リーグ戦9ゴール)を挙げているファン・ウィジョ(G大阪)を"補強"している。
 
 そんなチームに対し、韓国メディアでは「A代表レベル」「歴代最強メンバー」という声まで上がっているほどだから、韓国の本気度がうかがえるだろう。
 
 それにしても、なぜ韓国はアジア大会にこれほど必死になっているのか。そのもっとも大きな理由は、金メダル獲得なら"兵役免除"という名のボーナスも手にできるからだろう。
 
 韓国では、成人男子に約2年の兵役が義務づけられているが、スポーツ選手の場合は、国際大会で一定の成果を上げれば兵役が免除となる。その兵役免除の条件のひとつが、アジア大会での金メダル獲得なのだ(ほかには五輪でのメダル獲得など)。
 
 約2年間の兵役は、選手のサッカー人生を左右するといっても過言ではなく、韓国サッカーの将来にもかかわる問題だけに、韓国がアジア大会に本気になるのも当然だろう。
 
 とりわけ、ソン・フンミンらオーバーエイジ枠で招集された選手たちの状況は切迫している。
 

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