敵地では“ネズミ”を投げつけられるかも!? クルトワ、マドリー愛を示す言動で古巣のファンの怒りを買うことに…

2018年08月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「蛇の方が奴より忠誠心がある」…

R・マドリー・ファンのなかでもナバスを支持する者は少なくないようだが、“世界一”のGKはその実力で周囲を黙らせることができるか。 (C) Getty Images

 8月8日(現地時間)、チェルシーからレアル・マドリーへの移籍が発表されたベルギー代表GKのティボー・クルトワ。翌日には、入団会見やサンチャゴ・ベルナベウでのお披露目に臨んだ。
 
 6年という長期契約を欧州王者のクラブと結んだクルトワは、会見で「夢が実現した。世界最高のクラブに加入したことの責任と誇りを感じている。ここへ導いてくれた全ての人々に感謝している」と喜びを語った。
 
 ケイラー・ナバスを抑えて正GKの座に就くと予想されるが、「何も保証はされていない」と気を引き締め、これから競争を勝ち抜いてゴールマウスの前に立つ所存であることを強調している。
 
 そんな彼には、ある意地悪な質問も……。クルトワといえば、2011年夏にチェルシーからのレンタルというかたちで、3シーズンにわたってアトレティコ・マドリーでプレーしたが、12-13シーズンにはジョゼ・モウリーニョ率いるR・マドリーを決勝で下し、コパ・デル・レイ(国王杯)を制した。
 
 この時の祝勝会、クルトワはサポーターの前で、同じ街のライバルを罵倒するフレーズを叫んで喝采を浴びていた。R・マドリーの一員となった今、これについてどう思うかを問われたのだ。
 
「重ね重ね、申し訳なく思う。あの頃の僕は子どもだったんだ。その後、チェルシーで2度のリーグ優勝を飾り、僕は成熟した大人になった」
 
 こう謝罪したクルトワだが、この会見では同じベルギー代表で、彼同様に今夏でのR・マドリー入りの噂が流れているエデン・アザールについても言及している。
 
「彼は、僕の移籍を喜んでくれている。マドリーに入ることが僕にとってどれだけ重要なことかを、彼は知っているからね。これからも、彼と一緒にいられたらと思う。もし、このクラブに来てくれたら、とてもファンタスティックなことだ」
 
 まさに正直な気持ちだろうが、これが古巣チェルシーファンの神経を逆撫でした。今回の移籍に際し、クルトワは首を縦に振らないクラブに対して練習ボイコットという強硬手段におよんでファンの反感を買ったが、さらにこの発言で、主力のアザールのチェルシー退団を歓迎するかたちとなったからだ。
 
 SNS上では、「チェルシーにも、かつて所属したアトレティコにも、敬意は払っていないんだろう。まさに、"蛇"だ」「いや、蛇でさえ、奴よりは忠誠心がある」など、かなり辛辣な書き込みが多く投稿されている。
 
 また、彼がR・マドリーのエンブレムにキスをしたこと、前述のように国王杯での出来事に対して謝罪したことが、アトレティコのファンの怒りも買うことに……。こちらでも、怒りの声が多く上がり、チェルシーの"蛇"に対抗して(?)、"ネズミ"と呼んでクルトワを非難した。
 
 そのなかで、あるファンはSNSで「ワンダ・メトロポリターノ(アトレティコの本拠地)での最初の一戦で、5万個のネズミの人形を投げ入れてやろう」と、「IKEA」で販売している1ユーロの人形を紹介して購入を訴えかけている。ちなみに、アトレティコ・ホームでの「マドリード・ダービー」は23節(2019年2月10日)に開催の予定だ。
 
 先のロシア・ワールドカップでも、準決勝フランス戦後の発言で物議を醸してのちに謝罪するということがあった26歳のベルギー人。W杯の最優秀GKに選出され、大きな勲章を得てマドリーに加わった彼は、少なくない厳しい視線を浴びながら、新たな挑戦に臨むこととなる。
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