中断明け無敗の浦和、上位進出の条件は?「パス&ゴー」を掲げる柏木陽介がキーマンに

2018年08月08日 轡田哲朗

武藤は「ブロックを作られる中、パスだけでは難しい。もう少し追い越していく動きがあると違う」

最終局面で変化を付けられる柏木を、いかに高い位置で使えるかがポイントだ。写真:徳原隆元

 浦和は5日にホームで行なわれたJ1リーグ20節・長崎戦を0-0の引き分けで終えた。オズワルド・オリヴェイラ監督に率いられ、中断明けの無敗こそ継続したが、このゲームは今後の日程を考えた時にひとつの試金石だった。
 
 浦和は長崎戦前の4試合に似た傾向があった。名古屋、C大阪、広島、川崎と、ボール保持を前面に出す、あるいは浦和とのホームゲームでハッキリと勝点3を狙ってくるカードが続いた。そうした相手に対してオリヴェイラ監督は試合中のシステムチェンジを含め、主に守備面での対応の良さを見せ、そこからセットプレーや素早い攻撃でゴールを奪って3勝1分の成績を残した。
 
 しかし、その風向きは長崎戦を境に少し変わることになる。今後は敵地での鳥栖戦、ホームでの磐田戦、敵地での清水戦、そして天皇杯の東京V戦と、どちらかと言えば浦和がボールを持ち、相手にカウンターを狙われると予想される試合が続くからだ。
 
 オリヴェイラ監督は長崎戦を前にして「そういう状況のトレーニングは以前にやってきた」とした一方で「中3日でピッチでのトレーニングはできない。映像と言葉でイメージを与える」と話したが、それが必要なレベルまで高められたかというと疑問が残ったのが長崎戦だった。
 
 前線でひとつのパターンだったのは、武藤雄樹がボールを引き出す際に食いついた相手の裏を興梠慎三やファブリシオが狙うプレーだった。それは良い形につながりかけたが、決定機を量産できたというほどではなかった。武藤は「マッチアップするので、食いついたスペースを狙うのはあった」と話したが、「ブロックを作られる中、パスだけでは難しい。もう少し追い越していく動きがあると違う。ミドルシュートもあったけど、簡単に入るものではないから」と、相手ゴールへ向けた迫力を欠いた部分の課題を口にした。
 
 また、ビルドアップ時に最終ライン近くまで降り、攻撃の最終局面にも絡む運動量を見せた柏木陽介が挙げたのは「パス&ゴー」というキーワードだった。
 

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