J初ハットで得点王も視野!名古屋の元セレソンFWジョーが"ついに"目覚めたワケ

2018年08月08日 今井雄一朗

「暑いせいもあって今は90キロさ」本人も予想外のグッドシェイプが実現

中断期間を使った肉体改造で身体のキレが戻ってきたという。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ20節]名古屋3-2G大阪/8月5日/豊田ス

 ジョーの一人舞台だった。0-2のビハインドを背負ったチームをハットトリックで救ってみせたのだから異論を挟む余地もない。もちろんチームが守備を引き締め、相手の追撃を断ったからこその逆転勝利だが、それも"先立つもの"がなければ成立しない。何よりこの日のジョーの存在感は、控えめに言って化け物的だったのである。
 
 暑い名古屋の夏は、元セレソンを目覚めさせる効能があったらしい。連日が40度近い酷暑となっている練習場では、公式にファンサービスが控えられるなどなかなかに危険な環境で、ブラジル出身のジョーも「暑すぎるよ、ブラジルでもこんなことない……」とやや参り気味。しかもチームは風間監督の号令の下、この中断期間を使って肉体改造に力を入れてきた。
 
 テーマは身体のキレを出すことだったが、ベスト体重が92キロのところを95キロで来日していたジョーにとっては良い減量トレーニングにもなった様子。さらに今は「暑いせいもあって90キロさ。まあ、身体が動くからこれもいいなって思ってるんだけどね」と本人も予想外のグッドシェイプが実現したという。
 
 この状態には風間監督も「すごくシャープだよね。怖いと思うよ、あのサイズで動けるというのは」と話していたが、果たしてそれは現実のものとなったわけである。
 
 ジョーの来日初となるハットトリックは後半の23分間に集中したわけだが、前半からすでに怖さは見せていた。例えば立ち上がりの8分には右からのクロスに対し、DFに背中をつけたままターンをして伸び上がり、左足を合わせている。一度ボールから目を切って足を合わせるのは相当に難しいことで、15分にもDFを背負いながらターンシュートを放つなど、難しい態勢でのシュートを苦にしない強みが最近は際立つようになってきた。
 
 DFを背負ってのターンシュートも前半戦からプレーの選択肢にあったが、そのキレとスピード感は以前の比ではなく、シュートブロックにも引っ掛からなくなってきた。それだけでもFWとしての威圧感は桁違いに増す。
 

次ページジョーの特長を周囲が活かそうとする体制ができたのもプラスに働いている

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