【W杯 準決勝プレビュー】ブラジル対ドイツ|攻守の両輪を欠くブラジルは「結束力」でカバーできるか

2014年07月08日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

逆境が大きなエネルギーを生む可能性も。

準決勝
ブラジル 対 ドイツ
17:00(日本時間9日5:00)キックオフ
ミネイロン(ベロオリゾンテ)
 
【勝負のポイント】
攻守の両輪を欠くブラジルの結束力
 
 ブラジルとドイツの対戦は、02年日韓大会の決勝以来で、ワールドカップでは通算二度目だ。
 
 攻撃のほぼ全権を担っていたネイマールが腰椎骨折で、キャプテンにして最終ラインの要T・シウバが累積警告で欠場するブラジルに対し、ドイツは主力に故障離脱も累積警告もなく、ベストメンバーが揃う。
 いわば飛車角落ちのブラジルに拠り所があるとすれば、「ネイマールのために」と心をひとつにしたチームの強い結びつき。自国ファンの大声援という後押しも期待できるはずで、逆境が大きなエネルギーを生む可能性がある。
 
[ブラジルの視点]
 T・シウバとネイマールの代役は、それぞれダンチとウィリアンが有力だ。
 バイエルンでプレーするCBダンチにとって、ドイツ代表の主力の多くはバイエルンの同僚で、彼らの特徴は頭に入っている。逆もまた同じだが、ブラジルには心強いファクターだ。サスペンション明けのボランチのグスタボも元バイエルンで、守備に関してはある程度の計算ができそうだ。
 より切実なのは、ウィリアンが埋めるであろうネイマールの穴。テクニカルなドリブルは質が高いが、ネイマールほどの決定力はない。その点では、オスカールやフッキの奮起が不可欠だ。
 いずれにしても、攻守両面でパフォーマンスの低下は避けられない。その下げ幅をどれだけ抑えられるかが鍵となる。
 
[ドイツの視点]
 ラームを右SBに入れたフランス戦のシステムをベースに、攻撃陣に手を加えてきそうだ。前線はクローゼを外してミュラーの「ゼロトップ」に戻し、左サイドはフランス戦を休んでフレッシュなポドルスキの起用がありえる。
 陣形をコンパクトに保ち、連動を基調としたいわゆる普段通りのプレーができれば、相手は攻守の両輪を欠くブラジルだ。互角以上の戦いに持ち込めるはずだ。
 尻上がりに調子を上げているGKノイアーの充実も楽観材料だ。躊躇のない出足でDFラインの裏のスペースを埋め、驚異的な反応でシュートを止める守護神は、文字通り勝負を決する違いとなっている。
 
◆過去の対戦成績
ブラジル
12勝5分け4敗
ドイツ
 
ワールドサッカーダイジェスト編集部
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