磐田、7戦ぶり白星の舞台裏。殊勲のゲームキャプテンが語る勝因と「名波さんのチーム作り」

2018年08月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ミスしてもいいぞ。後ろで最後のところでしっかり跳ね返すから繋いでいこう」

2戦連続のアディショナルタイム弾を決めた大井。2戦目のゴールが7試合ぶりの勝利に導く一発となった。(C) J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ20節]磐田3-2仙台/8月5日/ヤマハ

「前半も先制されたけど45分に(川又)堅碁が決めて、勇気をもらっていました。ゴールの場面は、(田口)泰士がこぼれ球に反応するのが見えて、ああいうときはゴール前ではなくファーで低いボールに飛び込むのがセオリーなので、ふかさないで打ってくれることを祈って速いボールでも反応できるように待っていました。決めることができてよかった」

 
 2戦続けてのアディショナルタイム弾をそう振り返った大井。前節は同点弾だったが、仙台戦は決勝点としてネットを揺らし、その後の相手の猛攻もゴール前で必死に跳ね返す獅子奮迅の活躍ぶり。「疲れ切っていてもう飛べないと思っていたけど、現金なものでゴールを決めた後にヘディングで勝てるようになった。まだ自分はサボっていたところがあるんだな、まだまだ成長しなければと思いました」と、試合後は苦笑いを見せた。
 
 殊勲のゲームキャプテンが、暑さの中の激闘の勝因に挙げたのは、攻撃陣の強気と粘り。「中盤の選手が怖がらずにボールを繋いでいたし、『ミスしてもいいぞ。後ろで最後のところでしっかり跳ね返すから繋いでいこう』と僕たちも前の選手に声をかけていました。相手がリードして引いたのでポゼッションが上がったけど、カウンターはしっかりケアしないといけなかった。1-3になったら終わってしまうけど、1点差ならひっくり返せると(高橋)翔平と話しあっていました。2失点し自分の出来はあまりよくなかったけど、助け合ってリードを広げられずに守れたと思います」
 
 前半途中、3バックから4バックにシステム変更したことも、2度追いついての逆転劇を演じた要因のひとつ。「相手の前線が3枚で、3対3の状況が続いて苦しかった。4バックになって、後にチャレンジ&カバーをしやすい状況になった」と大井。
 
 早い時間にシフトチェンジを敢行した名波監督は、攻撃面でも「相手が我々を捕まえにくくなったし味方同士のサポートのスピードやアングルが近くなった。相手のボールホルダーに対してのアプローチも同じで、敵を押し込む要因になったと思う」と手応えを語った。
 
 中断前のメインの3-4-2-1、中断期からトライした3-1-5-1、ここ2試合の3-1-4-2。そして、再開後の練習で何度も行なっている4バックと、名波監督は今季あらゆるシステムを敷いているが、選手たちに戸惑いはない。就任以来、一貫して選手に求め続け、再開後の引き分けが続く間も、しっかり磨きをかけてきているそのフレキシブルさは、磐田の強みのひとつになってきている。
 

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